こんにちは、こはりです。
甘いものが好きな人(脾虚:陰性体質)に膝痛や坐骨神経痛が多いわけ。
砂糖の過剰摂取→胃筋の弛緩(糖反射)→胃のぜん動弱化→胃下垂→下腹臓器圧迫→下腹動静脈圧迫→脚の血流低下→膝痛、坐骨神経痛
甘いものは好きではないし、普段そんなに食べていないという人も、現代の食生活(外食、加工食品)では知らず知らずのうちに大量摂取しているものです。
僕自身それに気が付いたのは日常的に自然食を食べるようになってからです。
やすらぎの里でのお食事は精製糖を一切使用しません。
素材の味を引き出し、甘味料としては伝統製法を守った本物のみりんや自然なかたちに近い精製度の低い甜菜糖やきび砂糖などを使います。
そうした食事に慣れると、世の中に出回る食品のベッタリとした不自然で人工的な甘みに嫌味を感じるようになりました。
今まではまったく気が付かなかったことです。
言い換えれば、いかに味覚の鈍った人が世の中に多いかということです。
むしろ鈍くさせられていると言えるかもしれません。
食品添加物業界関係者の話を聞くと年々その使用量が増えているといいます。
「メガ○○」「濃い味」「リッチ○○」花盛りの昨今。
合成的なうまみが添加されていないと物足りなく感じる消費者とそれに迎合する生産者。
この悪循環がますます味覚を鈍化させていくのです。
またコスト最優先の商業主義においては、惣菜などは料理の手間を省き食材の悪さを隠すために砂糖を大量投入することがあります。
一説によれば100年前の1人の平均年間摂取量をわずか2~3日で摂取している人も現代ではざらだということです。
これだけの大量摂取は有史以来、未曾有の出来事といえます。
生理的にどんな変調をもたらすのか、理性的であろうとするならば慎重に観察していかなければならないでしょう。
駅ビルやデパ地下ではこれでもかと砂糖をふりまいたスイーツが全盛です。
「スイーツ男子」なる言葉も聞きます。
草食化(少子化)に拍車がかかること請け合いです。
街のベーカリーをのぞいても、天然酵母の本物のパンを知れば、油脂と砂糖を若干の小麦粉でつないだかたまりにしか見えなくなります。
そもそも「白い粉」は自然界には存在しえない精製度のドラッグです。
驚くべき早さで吸収され脳を撹乱し精神を退廃させます。
うがった見方をすれば、そうした中毒性を利用した商業戦略に消費者は乗せられ無意識のうちにかけがえのない健康を売り渡していると言えなくもないわけです。
もっとも選ぶ自由があるので自己責任ですが。
仕事柄、生理痛や不妊症の女性とふれあう機会が多いですが、例外なくスイーツ中毒です。
低血糖によるうつ傾向とホルモンバランスの悪さ、内臓下垂による生殖器圧迫によるうっ血です。
低血糖と聞いて疑問をもたれた方もいるでしょうか。
甘いものをたくさん食べれば血糖値が上がって高血糖でしょうと。
短期的に見れば高血糖です。
しかし、急激に上がった血糖値は、人間の体の正常な働きとして、すぐさま正常値まで下げようとされます。
穀類に含まれるでんぷんのように消化に時間を要し、ゆっくりと吸収されればいいのですが、砂糖のように急激に吸収され血糖値が跳ね上がるようなことがあると、血糖値を急いで下げるべく膵臓はピッチをあげてインスリンを分泌しなければならなくなるのです。
こうした働きも繰り返していけば膵臓などの臓器に疲弊をきたし、いよいよインスリンを分泌できなくなる時がきます。これが糖尿病です。
低血糖のときは、簡単に言えば元気がなくなります。
精神的には憂うつとなり、体は疲労感があり冷えてきます。
ホルモンの分泌も減退します。
さまざまな疾病の素地ができます。
そんな時、手っ取り早く血糖を上げてくれるチョコレートやお菓子、アルコール(糖)などに手が伸びます。
実際に低血糖が解消されますのでハイになります。
しかし、また同じ繰り返しです。
急激に上がれば急激に下げられる。
血糖の激しい乱高下を繰り返しているだけです。
低血糖のときにイライラしたり、攻撃的になる人もいます。
これは低血糖という危機的状況を打開すべく、体は副腎という臓器からアドレナリンを分泌し血糖値を上げようとつとめます。それが過剰に分泌されれば人格を変えてしまうほどの影響を与えるものです。
実際、アメリカで行われた研究では犯罪者や非行少年の80%以上が低血糖症だったというデータがあります。
それは極論にしても、無感動で憂うつ、かんしゃく、神経過敏などの心のトラブルの原因が、現在の食生活にあるのではないかと考えてみる視座があってもいいと思います。
また精製糖は「空のカロリー食品」と呼ばれています。
余分なものをそぎ落とした形なので、糖(カロリー)だけあって、その代謝に必要な栄養素(ビタミン、ミネラル)が含まれていないのです。
そんな「空のカロリー食品」を食べればどうなるでしょうか。
カロリーだけ満たされ、それだけで満腹感を得られてしまいます。
そのために穀物や野菜など、その他のおかずを欲しなくなっていきます。
そして穀物や野菜などに含まれる代謝のために必要な栄養素の不足は、体脂肪が増えることにつながってきます。
「糖の代謝異常」です。つまり着火剤がないので燃えずに体の中に脂肪としてたまっていく状況が慢性化します。
また砂糖の過剰摂取は血液を酸性に傾けます。
すると体はPHを一定に保つためにカルシウムなどのミネラルを必要とします。
もし血液中に十分なカルシウムがなければ骨や歯から溶かし出してくることになるのです。
ますます体の栄養素を消耗していく悪循環が進行していきます。
日本をはじめ先進諸国には、発展途上国のようなカロリー不足に由来する栄養失調はありません。
しかし、それと同じくらい深刻な「微量栄養素の失調」が潜在し、日本を病気大国に押し上げようとしているわけです。
なかなか食欲を抑えられない、ついつい食べてしまう、そんな相談をよく受けます。
僕はその背景に「潜在的な栄養失調」があるのではないかと次第に思うようになりました。
「食べたい」という欲求は体にとって自然な欲求であるに違いありません。
「それではなぜ無性に食べたくなるのか」
それは飢餓を感じているからではないだろうかと。
「こんなに食べているのに?」
食べていても補われないものがあるからなのです。
「野菜を取るようにしているけれども」
今の野菜は一昔前の野菜に比べて格段に栄養量が劣るという研究データもあります。
いずれにしろ、まず栄養がなくただ栄養を浪費するだけの精製糖を控えていくに越したことはないでしょう。
でもなかなかやめられない。
体に悪いと頭ではわかっていても、なかなかやめられないのが中毒たるゆえんです。
かくいう僕もそうでした。
しかし、自然食を実践していくうちに味覚や体内環境が一新され甘いものに手が伸びにくくなりました。
食材のまるごとの生命に支えられ、足るを知るようになったと言いましょうか。
デフレスパイラルが進行する昨今、食品も例外ではなく、安さには必ずわけがあります。
すべて承知の上で便利さという光の部分の恩恵を受ける分には問題ないでしょう。自己責任の範疇です。
しかし、光があれば必ず裏に影があるということを、知っているのと知らないのとではおのずと生き方が変わってくるはずです。
かけがえのない地球の将来と、生命体としての自らと子々孫々の人生を含む大局的なビジョンの上に立ち、なるべく自然に近い食材を買い、自らの手で調理していきたいものです。
もっと言えば、あらゆる教育に先んじてされるべきが食育だと信じています。
栄養素を計算したり暗記することに何の意味もありません。
未来ある子どもたちに本当の食育を!
今、大人たちが抱える病苦が無駄にならないために。
身を捨ててこそ浮かぶ瀬もあれ
生命はもっと輝いていいはずなのだから…