やすらぎの里高原館は「断食施設」でありながら、お食事がおいしいとゲストの方に評判です。
高原館のお食事は、調理のスタッフが試行錯誤しながら作り上げたレシピに基づき、旬の食材を用いて、愛情と手間ひまをかけて、ていねいに作ったものです。
断食施設なのに、なぜそこまでこだわるのか?
高原館での断食の位置づけは、「おいしく食べるため」この一言に尽きるでしょう。
昔から「空腹は最上のソース」といわれてきましたが、おいしく食べるため、さらにはしっかりと消化し、栄養を吸収するためにも内臓の受け入れ態勢が整っていなくてはなりません。
身の回りに食べ物があふれる飽食の時代に生きる現代人にとって、一回の食事の感動やありがたみが、どんどん薄れてきているのではないでしょうか。
一日三回、惰性で漫然と繰り返される食事。
だからこそ、完全な空腹をつくり、改めて食事の意味を問い直す、それがまさに現代人に必要な食養の本質であると思います。
しかしながら、完全な空腹で食卓に向かえば、食べ過ぎや早食いになってしまうのではないかと心配になられる方もいるでしょう。
ところが、ゆったりと流れる時間の中で、繊細な味覚をもってゆっくりと味わうのであれば、むしろ適量で満足感が得られます。
つまり、日ごろせわしなく、心を置き去りに食べてしまっていることで食べ過ぎや早食いになっていることに気づかれるでしょう。
これに気づかれたならば、高原館での食養コースの目的は、半ば達成されたと考えていいでしょう。
アタマだけの知識だけで、体の欲求を押さえつけることには無理があります。
早晩、ひずみが出たり、反動があるでしょう。
高原館では、滞在をしながら、短期集中で味覚、食欲をリセットして、なおかつ帰ってからも永続的に食生活が改善できるような体験を通じた「気づき」を大切にしています。