●断食の効用
普段の食生活はどうしても過食になりがちです。
身の回りに食べ物があふれいつでも手に入れられる時代。
無理からぬことでしょう。
しかしこうした放埓な食生活が続くと内蔵は
過剰な負担が強いられ疲労を起こしてきます。
口から入ってくる食べ物を消化吸収することに手一杯で、
排泄に手が回らない状態が起こっているということです。
これは体内の酵素の観点からも説明がつきます。
酵素は人間の生命活動になくてはならないもので、消化器官で分泌される消化酵素と、
体をつくったり病気を治したりする代謝酵素に大別されます。
負担の大きい高たんぱく高脂肪の食事が続けば、
内臓の疲労とともに、消化酵素の大量消費が起こります。
酵素は体内に潜在酵素という形で蓄積され、
必要に応じて利用されると考えられています。
つまり消化酵素にばかり分泌され、その反対に体をメンテナンスしたり、
体内の有害物質を解毒したりする代謝酵素の分泌が制限されることになるのです。
断食は体内にある有限の酵素を代謝酵素として積極的に利用していくことでもあります。
いずれにしろ慢性的な内臓疲労そして排泄力低下には断食が有効な手段です。
食べ物を口にしないことで内臓の負担が軽減し機能が回復してきます。
そして排泄に機能にすべての精力を傾注することができます。
解毒を担う肝臓に疲労がとれ解毒力が増してきます。
腸では普段処理しきれずに溜まっていた老廃物が一掃され、
また断食中、空腹時に分泌されるホルモンであるモチリンの分泌が増え
この作用で腸に強力な蠕動運動を起こしさらに腸内の宿便の排泄を助けます。