●デトックスの起源、歴史
デトックスは英語のdetoxification(解毒)を短縮したもので、
体内に溜まった毒素を排出させる健康法のことです。
歴史的には1960~70年代のアメリカで研究が始められたと言われています。
それは戦争で化学兵器の被害に遭った兵士の救済が目的でした。
それが現代では、「解毒」や「排泄」をキーワードとした
健康法や美容法として発展してきました。
デトックスそれ自体はアメリカ発祥ですが、そうしたデトックス志向は、
洋の東西を問わず実践されてきたことでもあります。
●世界のデトックス
瀉血や吸角療法、アーユルベーダのパンチャカルマ(体にオイルを塗ってサウナに入り、
全身から汗とともに排毒する方法)ゲルソン療法のコーヒー浣腸など。
デトックスは医療的なものはもちろん、
伝統的なお祓いや禊など、より民間に根ざした文化にも定着しています。
現代人におけるデトックス志向もまた、生理的にはもちろん、
そうした精神性を含みこんだ概念といえそうです。
なんとなくすっきりしない、いつもモヤモヤ悩んでいる、
そんな人々に潜在する「心身の浄化」願望は、デトックスを通して得られるものと考えます。
●日本のデトックス
中国由来の東洋医学では「邪気」「食毒」「水毒」「瘀血」といった表現で、
病気の原因となる毒を表しました。
そして「吐方」「汗方」「下方」、つまり吐かせたり、汗をかかせたり、
下痢をさせたりすることを、治療として重要視しました。
日本では江戸時代中期に広島の漢方医、吉益東洞によって
「万病一毒論」が唱えられています。
それは、病がどのような形態であれ、原因はただひとつ、
体内の老廃物及び毒素の堆積である、とする考え方です。