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闇を照らす光としての教育

こんにちは、こはりです。

ある小学校のクラスでは「ユーモア詩」なるものを実践している。

ユーモアあふれる詩の創作だ。

なんでもいい。
好きなこと、思ったこと、おもしろいことを書いてみよう。

こうして始まる授業はまず小学校低学年ならではの「うんち」「おなら」「おしっこ」といった笑いをとりやすい話題が出ることを恐れてはいけない。

導入はそれでいい。

何度か創作を繰り返していくうちに子どもたちは「相手を笑わせる=思いやり」だということに気が付いていく。

この授業を実践する先生は学級崩壊を経験していた。

無気力、無関心、逃避、反抗。授業が成り立たない。

その中で子どもたちは「共感的な他者」を求めているのだと気づく。

そして「ユーモア詩」授業を発想した。

子どもたちは次第に豊かな感受性を目覚めさせていく。

家族の話や日常生活の機微を見事に活写し始めた。

大人顔負けに、いや子どもたちならではのみずみずしい感性で表現する。

さらに相手を笑わせるためには普段嫌われていてはうまくいかないことがわかってくる。

笑いの条件に「いい人であること」、つまりその人の人間性や相手との関係性が重要な要素なのだ。

そしてある時「ユーモア詩」の授業によって「受け止められる」「自分をさらけ出す」という経験を重ねていくと、胸の奥にしまい込んでいた感情が噴出することがあるという。

今の小学生は思っているほど無邪気ではない。

「本音を言って傷つくのが怖い」そんな繊細さをもっているのだ。

『卵焼き』

つかれて帰ってくるお母さんのために
卵焼きを作った。
9時に帰ってきたお母さんに
「私が作ったの。食べて…。」
と言って卵焼きを差し出した。
そしたら
「あなたの作ったものなど食べられないわよ!」
と言われた。
それから目の前で
ゴミ箱に捨てられた。
私はすごく悲しくなった。
先生、私はそんなに悪い子ですか?

これはある生徒の詩である。

この時の彼女の悲しみはいかばかりか。

さらにずっと胸の奥にしまい込んでいたそのさみしさといったら。

僕は正直彼女のお母さんに対して憤りを禁じ得ない。

この子が生まれてきた意味はなんだろうか。

それ以前に、この親は自分の子供にこのような待遇をするために生まれてきたわけではないはずだ。

『自分のために生きてはいけない。自分の中にうずもれている「愛」に気づかず、それを活かさずに死んではならない。自他の喜びを創造して生きるのだ。』

ヨギ沖正弘の言葉が突き刺さる。

愛情を持って育てなければ…言葉で言うのはたやすい。

現実として親の愛に恵まれずにいる子どもたちはたくさんいる。

だから「愛がなければ…」と簡単に言ってしまうのは、その子たちを否定するようで気がすすまない。

真実をありのままに受けとれば、人がこの世に生まれてきたのは経験し学ぶためである。

そして、その学び方には「光」からと「闇」からの二通りがあるという他ない。

些末な日常でさえ「成功」から学ぶこともあれば「失敗」から学ぶこともあるだろう。

一方で愛に満ちて育つ子がいる。
他方で孤独にさみしく育つ子がいる。

どちらも愛を知ることに違いはない。

しかし、その孤独にたえかねて命を絶つ子もいる。
虐待の末殺される子もいる。

これが現実だ。

幸いにも「卵焼き」を書いたこの子にとって教育は闇を照らす光であっただろう。

この詩が先生をはじめ周囲の愛ある人の目に触れることによって、周囲にあふれる愛に触れたに違いない。

そして、一生の支えとなる愛を知ったのではないだろうか。

いつでも教育は闇を照らす光であるべきである。

「教えて育てる」そんな一方的なやりかたであったならば、この子がこのように胸の内を語れる日が来たであろうか。

「教え=愛 を育む」人間はもともと愛をもっている。

それを育むのだ。

そんな姿勢でこそ教育は輝くものだと信じている。

教育の力によって、いつの日かこの世から孤独な家庭がなくなることを祈りながら。

『今日の夕食』

「今日の夕食はハンバーグでいい?」
とお母さんが言いました。
ぼくは
「早く食べたいなー」
と思いました。
夜になってお母さんが
「あらら、すごいよー」
と言いました。
何がすごいのかと思って
見てみたら
ハンバーグが
お父さんの顔ぐらい
大きかった
ぼくは
「わあ!」
と思いました。
みんなでひとつのハンバーグを食べた。
おいしいと思った。

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