やすらぎの里の大沢です。
仕事の合間に急いで食べる、
スマホを見ながら気づいたら食べ終わっていた、
食べてもなんとなく満足できずにまた間食してしまう——
そんな食べ方に、心当たりはありませんか。
食事の「内容」を変える前に、
食べる「状態」を整えることが
実はとても大切です。
そのためにやすらぎの里でも
取り入れているのが、食前の呼吸法です。
せかせかしたまま食べると、体に何が起きるか
気が焦っている状態で食事をすると、
どうしても早食いになります。
よく噛まずに飲み込むため、
胃腸に大きな負担をかけることになります。
消化が追いつかないまま
次の食べ物が入ってくるため、
胃もたれや腸の不調につながりやすくなります。
また、早食いは脳の満腹中枢が
「もう十分」というサインを出す前に
食べ終わってしまうため、
実際には必要以上に食べてしまう
食べ過ぎの原因にもなります。
もうひとつの問題は、味わえないことです。
せかせかした状態では、
食材の繊細な甘み、出汁のうまみ、
発酵食品の深みを感じる余裕がありません。
結果として
「食べたけど満足できなかった」
という感覚が残り、
また何かを口にしたくなるという
悪循環が生まれます。
食べる前に「整える」——世界に共通する知恵
世界各国に、食前の祈りという文化があります。
キリスト教の食前の祈り、
仏教の五観の偈(ごかんのげ)、
ユダヤ教の食前の祝福——
形は違っても
「食べる前に立ち止まり、心を落ち着けて感謝する」
という思想は、
時代や文化を超えて共通しています。
日本に残る「いただきます」という言葉も、
命をいただくことへの感謝と、
食に携わったすべての人へのお礼が込められた
深い意味を持つ言葉です。
ただ現代の日常では、
「いただきます」と言いながらも
すでにスマホを見ていたり、
テレビに目が向いていたりして、
言葉が上滑りしてしまいがちです。
あらためて、食のありがたさと、
こうして生かされていることへの感謝を
一瞬でも思い起こす時間を持つことが、
食事の質を変える最初の一歩になります。
食前に試してほしい「4-7-8呼吸法」
心を整えるための実践として、
やすらぎの里でも取り入れているのが
ホリスティック医学の権威
アンドリュー・ワイル博士が提唱する
「4-7-8呼吸法(くつろぎの呼吸)」です。
やり方はとてもシンプルです。
- 1. 鼻からゆっくり4秒かけて息を吸う(8分目くらいを目安に)
- 2. 7秒息を止める(酸素が全身に行き渡るイメージで)
- 3. 口からゆっくり8秒かけて息を吐く(体の中のネガティブなものが出ていくイメージで)
この呼吸を
食事の前に3回繰り返すだけで、
交感神経の緊張がゆるみ、
副交感神経が優位になります。
消化器官は
副交感神経が優位なときに
もっとも活発に働くため、
呼吸を整えることは
「胃腸を食べる準備状態にする」
ことでもあります。
3回の呼吸が終わったら
手を合わせて「いただきます」を
かみしめてみてください。
それだけで、食事の最初の一口が
まったく違う味わいになるはずです。
豊かな食卓は、豪華さではなく「状態」にある
豊かな食生活というのは、
高級な食材や豪華な料理のことではありません。
めまぐるしい日常から少し離れ、
目の前の食事に意識を向けて
一口一口を味わえる状態にあること。
それが本当の意味での
豊かな食卓だと思っています。
食前の呼吸法は、
どこでも、お金をかけずに、
今日から始められます。
忙しい日々の中でも、
食事の直前の1分間だけ、
自分の呼吸に意識を向けてみてください。
それだけで、体の疲れのとれ方も、
食後の満足感も、少しずつ変わっていきます。
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