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2010 7/26 (月曜日)

愛の健康法

こんにちは、こはりです。

先日、東京に出かけ地下鉄に乗る機会があった。

混雑する車内、つり革につかまり立っていた。

少し離れた所に同じように中年の女性がつり革につかまり立っていた。

なんとなくその人が気になり見ていたら、駅に着いた車内に新たな乗客がなだれ込んできた。

その時、男性が人と人との間をすり抜けようとしたとき、その中年の女性の抱えるかばんにぶつかってしまった。

全く悪意のあるものではなかったが、その行為に中年の女性は怒り、鬼のような形相で男性をにらみつけブツブツと文句を言っている。

男性は気づかぬような素振りであったが、すぐ隣で数分にわたりにらみ続けていたのだから気づいていたに違いない。

僕ははからずもその光景を目の当たりにし、暗澹たる気持ちになった。

久し振りに帰省した仮にも僕の故郷だ。

そんな景色は見たくない。

そして何より「もったいない」と思った。

怒りに打ち震えているその時間、血圧は上昇し、脈拍は乱れ、呼吸は浅くなり、血液は濁る、老化は進み、自分で自分の寿命を縮めている。

「痛い!」「なんてことするの!」「謝ってちょうだい!」中年の女性はそんな思いに駆られていたのだろうか。

それにしても分が悪すぎる。

自分かわいさに怒っているのかもしれないが、自分を傷つけてしまっている矛盾。

怒りはつくづく無駄だと思った。

自分の利益のために主張しているのかもしれないが、自分の利益になっていない。
さらに他人を不愉快にさせ、反発心を生じせしめ、悪意を増幅させている。

時間を巻き戻して、ぶつかった瞬間、その女性が「あら、すみません」と先手を打って相手の目を見てこう言ったなら、男性は「こちらこそすみませんでした、おケガないですか?」そんな会話が生まれたかもしれない。

お互い気遣って、気持ちの良い後味が残ったかもしれない。

周囲にいる人たちも、そんな和やかな光景を目の当たりにして心がほっと和むかもしれない。

自分も他人も思いがけず幸せにするあり方があった。

どちらが得策と言えるだろうか。

「ぶつけられた」と思ったら怒りも生まれるかもしれない。

「ぶつかってしまった」もっと言えば「ぶつかったところがちょうどいいツボに入って気持ちよかった、ありがとう」そんな解釈ができたならば、もっと穏やかな気持ちでいられたかもしれない。

「私は不幸だ」と嘆く人がいる。

この出来事から感じることは、不幸など存在せず、不幸と解釈したにすぎないということ。

また別の日、電車のいすに座っていたとき、隣に座っていた男性がいた。
僕と男性との間には、一人分にしては少し心細いスペースがあいていた。

しばらくすると、そこに座ろうと中年の男性がやってきた。

今にも腰掛けようとお尻をいすに近づけているとき、その男性が座らせまいとひじを張り、座ろうとする中年男性のお尻から腰にかけて突き立てていた。

なんという悪意。

あいた口がふさがらなかった。

またしても「怒り」である。

お互い嫌な思いをしているではないか。

さらに当事者ではないただの傍観者の僕まで嫌な思いをしている。

こんな誰の得にもならない愚行があるだろうか。

刺激→反応、これではあまりにも近視眼的にすぎる。

動物以下ではないか。

思いやりも気遣いも愛も、きっと想像力の別名なのだろう。

想像力が働けば、怒った後の顛末を容易に想像できるはずだ。

なおも「怒り」を選択するだろうか。

そんな理屈も、忙しない現代東京では通用しないのかもしれない。

「忙しない」の字の通り、良心を殺されるような、個人主義と排他主義が蔓延している。

自分と他人の線引きを明確にしなければ、超密集した都心を闊歩できないのかもしれない。

かくいう僕も東京を闊歩していたときは、無関心を装い、想像力の芽を摘んでいたのかもしれない。

隣に腰掛けようとする人が、愛する恋人だったら、父母だったら、子だったら、そんなことはしないだろう。

否、今はもう親の子殺し、子の親殺しが頻発する時代。

「人類みな兄弟」のスローガンは過去の遺物と化してしまったのだろうか。

管仲は「衣食足りて礼節を知る」と言った。

現代社会は「衣食足りて礼節を知らず」だ。

つける薬がない。

それではもう希望はないか。

ある。

「食を断って礼節が蘇る」

断食がある。

衣食足りすぎて、感謝の心が失われた。

それなら積極的に断食しよう。

失って初めて気づくありがたさがある。

まさしく人間性の復権、自他を活かす愛の萌芽だ。

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