気が焦り、せかせかしていると、どうしても早食いになります。
あまり噛まずに飲み込んでしまうため、胃腸に負担をかけることにもなりますし、味わえないので満足感を得られず食べ過ぎてしまいがちです。
そこで有効なテクニックがあります。
食前の呼吸法です。
世界各国、食前の祈りというものがあります。
日本においても禅宗の五観の偈が 有名ですが、食べる前に居住まいを正し、心を落ち着けていただくための智恵なのだろうと思います。
現代日本でも「いただきます」という素晴らしい言葉が残っていますが、言葉だけが上滑りしがちで、その思想的背景にまで思いを馳せるということがあまりないのが現状ではないでしょうか。
あらためて、食のありがたさ、こうして生かされていることへの感謝の念を思い起こすためにも、「いただきます」をかみしめてみたいものです。
さらに、呼吸を使います。
ホリスティック医学の権威、アンドリューワイル博士が提唱している「くつろぎの呼吸」が簡便でなおかつ効果的に感じています。
鼻から4秒吸います(8分目くらい吸う)7秒止めます(酸素が全身に行き渡るイメージをもって)8秒口からゆっくり吐きます(ネガティブなものが出ていくイメージでもいいでしょう)
この呼吸を3回繰り返すだけで、心身がリラックスし、ゆっくりと感謝して食事をいただけるスタンスが定まります。
合掌して「いただきます」
めまぐるしく忙しない日常から隔絶した食卓にこそ、豊かな食生活というものがあるのだと思います。
決して豪華絢爛な酒池肉林をいうのではないでしょう。
時に気の置けない者と語らいながら、栄養摂取以上のあまりある食卓の意義を見出していきたいものです。