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道なかばに立ちて

こんにちは、こはりです。

僕には幸いにも青春時代に、全身全霊で打ち込める「道」がありました。

合気道です。

肉体と精神を横断するそれは、深い思索を求められました。

今こうしてこの世界の末席を汚すのも、考えてみれば、求道の延長に位置しているわけです。

投げつ投げられつ行われる稽古は、ただひたすらに心を込めて繰り返されます。
試合のない合気道は、お互いを活かし合うことに専念し、今この瞬間を二人にとって最高の時間を創り上げようとする気概があります。

そうした愛のエネルギー、合気がほとばしる稽古は、開祖植芝盛平大先生曰く「稽古は愉快に実施するを要す」

もはや殺伐とした旧来の闘争術を超越した、生命が喜ぶ“楽しさ”があります。
経験した者にしかわからないもので、なんとも筆舌に尽くしがたいものでもありますが。

中でも合宿での体験が、僕のその後の志向を決定付けました。

1週間の日程で、午前と午後、夜間にそれぞれ2時間の稽古があります。
三度の規則正しい食事があり、下級生であれば道場の掃除から食事の配膳、洗濯、風呂の用意など休むまもなく動き回ります。

死んだように眠り、また次の朝が来る。

早朝マラソンに出て、朝食にありつく、午前の稽古が始まる。
息も絶え絶え全力を出し切る汗だくの稽古です。

そんな一週間は日に日に衰弱していくかといえば、その逆が起きてくるのです。

完全な空腹の後の食事のおいしいこと、くまなく消化吸収された残滓は程よい固さとボリュームをもって、なんのためらいもなく気持ちよく出ていきました。

その一週間には完全な消化吸収、完全なエネルギー消費、完全な呼吸、完全な睡眠がありました。
体力がみなぎり、感覚が研ぎ澄まされていくのを感じました。

「今を生きる」人間が最高度にその真価を発揮するのです。

純粋な向上心が結晶化したような時間、まばゆい光を放つ場所でした。

全日程を終え、帰りのバスの中でいつも思うことは、こんな生活がずっと続けば、どれだけ健康に、そして超人的になるだろうかと。
次第に増えていくビルのネオンを車窓から眺めながら、俗な娑婆に帰ってしまうことのもったいなさを感じていました。

とはいっても娑婆に戻れば人並みにジャンクフードを食べ、煩悩多きキャンパスライフを少なからず謳歌していたわけですが…

しかしながら、人生のモラトリアム期に俗と聖を見渡せる場所に立っていたことが、その後の人生を形作る要素になっていることは間違いないでしょう。

「道」の素晴らしさを知る者として、それを伝えていきたい。

現在はその形を模索する日々です。

未だ道なかば、前進あるのみ

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