する贅沢から、しない贅沢へ

2008 12/9 (火曜日)

「歪み」についての一考察

こんにちは、こはりです。

今日は治療のお話…

「歪み」に対して否定的なニュアンスがあることはまちがいありません。
身体に対して何らかの悪影響や苦痛を及ぼすことも確かでしょう。

だからこそ、その人の姿勢や動きを創り出すものを見極めなければなりません。
そこで自分自身の姿勢や動きについて考えてみました。
そこには何ら意図的なものがないことに気付きます。
無意識のうちに形作られるもの。今までの経験や知識が表れているのかもしれません。
生得的な体格や体質、癖によって規定される部分もあるでしょう。

とすれば、まず身体は完全な左右対称であったり均整のとれたものであるという幻想は捨てた方がいいかもしれません。
自然万物の姿が多様であること、また人格的に完全な人間を見出すのが難しいことが何より証左になりうるのではないでしょうか。

このように目に映る現象を決して他人事にせず自分のこととして真摯に考えれば、他者の姿勢や動きはその人の知識や経験の集積であり、ひいては生き方、生き様の表れであるのではないかという想像力がもっと働いていいはずです。

その認識があれば、それは否定的な要素としての歪みではなくなります。
もっと言えば慈しみ尊重すべきものにもなりうる。

指圧などの東洋医学に立脚する手技の施術者が、からだ全体から症状だけを切り離し、身体を客体として対象化し診断していて、どうして現代医学の代替補完医療に足りうるでしょうか。

物理的に歪みを正したところで、その歪みの原因である姿勢や動きが変わらない限り根本的な解決にならないのは周知のことです。

それでは治療家はいかにあるべきなのでしょうか。

直接的に指圧や手技療法に関係するものではありませんが、身体論や教育論に造詣の深い竹内敏晴氏の言葉が示唆に富んでいるのでそれを借りて思索を深めたいと思います。

竹内氏は『方法とは人のからだが、そしてこころが見え、あるいは感じうる可能性を広げ深めるためのものであるはずだが、その方法によって見る、とずれたときに、それにあてはまるものしか見ることができず決定的に見落としてしまうものが出てくるのではないか』と述べています。

僕はこれを指圧の療法的な知識や医学的な知識の在り方と捉えます。
現代において支配的な地位を占める西洋医学の知識を知ることは決して無意味ではありません。
それは人間の知恵であり、その恩恵は計り知れないからです。
しかし、西洋医学が絶対的であると言うのではありません。東洋医学もまた然りです。

何より様々な観点を持つことが重要であると考えるからです。

そして『ほんとうに深い集中の中でからだが動き、思いがけぬ自分がいきいきと動き、それを仲間と共有しあう』ことを指圧の技術的な本来の在り方であり、同時に一般的な日常生活の在り方、すなわち自然なからだの在り方と捉えたいと思います。

それは『相互に働きかけるものとして自覚すること、自分を相手に手渡すこと』を前提とした『主体と客体が切り離された対立関係として定立される近代の志向を実践の中で超えてゆく行為』だからです。
それが医療の原点ともいえる『共に癒えてゆく喜び』となり日常生活における『共に生きる喜び』に他なりません。

それでは指圧という具体的な技術はいかにあるべきでしょうか。

それは『からだをときほぐすことは、肉体の緊張だけではなく、内なる身構えをとく』という認識に立ち、からだをときほぐし、息を深くしていくこと。
人間存在=からだ全体、に寄り添うこと、です。

決して歪みを物理的に正すことが目的なのではない、一方的に変えるのでなければ変わるのでもありません。

『ひとはさまざまな迷いやあやまちに出会い、そのとき他の人との関係によってみずからに気付き、苦しみを超えることによって成長する』とするならば、苦痛や病でさえも『共に気付いてゆく喜び』の中で癒えてゆくものでしょう。

竹内氏は言います『姿勢とはわたしというからだが生きている形です。わたしが世界に棲み込み、他者に向かい合い、それにふれる、この存在の仕方すべてのあらわれにほかならない』

僕はついに確信に至りました。今そこにある身体は決して歪んでいないと。

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