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風邪をひくのは「弱さ」ではない――自然治癒力を信頼する生き方

※この記事は、やすらぎの里の元養生館館長・小針先生が
以前書かれた文章を、現在のサイト用に再編集したものです。

「病気に襲われた」という感覚は、本当に正しいのか

こんにちは、こはりです。

気功指導者・山部嘉彦の著書
『自然治癒力講義』に、こんな一節があります。

「もし、内因、あるいは外因に内応する
内側の因子に責任を求める態度があれば、
患者は自分の生活や心がけの
どこが悪いのか、悪かったのかを聞きたがり、
自分がどうすれば治るのかを
知りたがるだろうと思う。

今の患者の大多数は、
病気になった自分が悪かったなどとは
露ほども思っていない。

健康で完全な私に、病気が断りもなく
襲いかかってきて
害をなしたと思っているようである。
これは、思考力の劣化、
想像力の欠如の産物である。」

――山部嘉彦『自然治癒力講義』

いささか辛辣な表現ですが、
的を射た指摘だと思います。

「健康な自分に、
病気が勝手に侵入してきた」
という感覚は、
今もなお多くの人が無意識に
持っているものではないでしょうか。

ウイルスへの恐怖が、精神をむしばむ

インフルエンザやノロウイルスをはじめ、
感染症の流行が報じられるたびに、
世の中は戦々恐々とします。

情報が氾濫し、恐怖心があおられ、
過剰なほどの予防策が当たり前になっていく。
清潔であることは大切です。
しかし潔癖に過ぎるのも、
また問題があります。

ウイルスを徹底的に排除・
殲滅しようとする姿勢は、
感染者への差別感情と表裏一体です。
「排除すべき敵」を作り出すことで、
精神の構造そのものが
ゆがんでいく危険をはらんでいます。

医学の進歩は、感染症を制圧できたか

現代医学はウイルスを特定・細分化し、
目覚ましい進歩を遂げました。
しかし、感染症が制圧されたかといえば、
いたちごっこのように
新たな感染症が次々と出現しています。
特効薬の開発も、
伝統的な風邪ですらままならない。
ワクチンは、生存のために
変異を繰り返すウイルスに対して、
ほとんど無力に近い状況です。

解熱剤が自然治癒力を妨げるとき

インフルエンザに処方されるタミフルは、
ウイルスを死滅させる薬ではありません。
細胞内での増殖を妨げる薬です。
さらに問題なのは、その解熱作用によって
体内のウイルスや細菌をかえって
増殖させてしまうことがある点です。

インフルエンザ脳症や肺炎などの合併症は、
その一例といえるかもしれません。
脳内でウイルスが直接増殖しているのではなく、
自然治癒力を薬剤によって
妨げた結果として起きている――
これを薬害と呼ばずして、
何と呼ぶべきでしょうか。

生命は、必要があって発熱を選んでいる

発熱は、体の失敗ではありません。
生命が意志を持って選んでいる反応です。

風邪をひける条件が体内に整っていなければ、
ひきたくてもひけない。
生命の働きは想像以上に精妙で、
内部の条件がそろって初めて風邪をひき、
その経過の中で以前にも増した
強い心身を作り上げていく。
こうした営みは、
人知をはるかに超えたものです。

自然治癒力を信頼するとはどういうことか

現代医学を全面否定したいわけではありません。
緊急時に医療の助けを借りることは、
もちろん必要なことです。

ただ、どれだけ医療が発達しても、
根本に「生命そのものへの信頼」がなければ、
本当の治癒には至らない。
この医学的な事実は、
無視することができません。

安易に症状から逃げるのではなく、
外部に敵を作って責任を押しつけるのでもなく、
七転八倒しながらも、
ひたすら自然治癒力を信頼し、
自らの力で治るのを忍耐強く待つ。

その姿勢の中にこそ、
人間が持つ本来の力強さと、
進化の証があるのではないかと思っています。

断食や養生を通じて
自然治癒力を取り戻したい方は、
こちらもご覧ください。

断食とは何か――我慢しないで整う、やすらぎの里の断食

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