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健康法に頼る前に取り戻すべきもの――人間としての矜持

※この記事は、やすらぎの里の元養生館館長・
小針先生が以前書かれた文章を、
現在のサイト用に再編集したものです。

「飲むだけで治る」に、引っかかっていないか

こんにちは、こはりです。

p>世の中には、ごまんと
健康法・治療法が溢れています。

玉石混交、法外な金銭を要求するものや、
欺瞞に満ちた詐欺まがいの手法も少なくありません。
「このサプリメントを飲めば病気が治る」
「この器具に座れば血液がサラサラになる」
そんな謳い文句が後を絶ちません。

一切の主体的な努力もせず、
望み通りの輝かしい未来が手に入るでしょうか。
世の中を見渡せば、答えは一目瞭然です。
そんな都合のいい話は、存在しません。

生活習慣病は増加し、国の医療費は高騰し、
新たな感染症の恐怖が繰り返される。
閉塞感に満ちた社会だからこそ、
耳障りの良い安易な商法に人は流されやすい。
金はなくとも、そのくらいの矜持は
持っていたいものです。

教養とは、学歴ではなく生き方の問題だ

高学歴だから教養があるかといえば、
必ずしもそうではありません。
無学でありながら、
汗水たらして勤勉勤労の人生を貫いた
市井の教養人が、
かつての日本にはたくさんいました。
そうした祖先の血のにじむような苦労が、
今の日本の繁栄を築いたのだと思います。

そのことを忘れて享楽に流れ、
刹那的に生きる。
そして心身に不調が現れたとき、
また誰かに頼って治してもらおうとする。
そんな虫のいい話があるでしょうか。
自らを見つめ直さずして
何が治るというのか。

サイボーグのように部品を交換するだけでは、人間は治らない

即物的な価値観で、
症状だけを取り除こうとすることは、
自ら人間であることを放棄しているのと
同じではないでしょうか。
連なる歴史の中に生きる人間として、
祖先を敬い、感謝のうちに生きていく。

その精神が、今を生きる者どうしの
思いやりをも育みます。
「思いやりを持とう」
といくら叫んでも、
大局的な生命観・人生観がなければ、
それは空言でしかありません。

「原因があるから結果がある」――責任は自分の内側にある

まず自分の内にある
生命の意味を見つめ直し、
因縁に気づいていく。
因縁とは「原因があるから結果がある」
ということであり、
「その責任主体は自分である」ということです。
歴史を紐解くまでもなく、
自らの生命がそれを教えてくれます。

健康面しかり、
他のものに頼りきっていると、
それなしでは成り立たなくなってくる。
「いつでも頼ればいい」
という精神構造は、
ますます自分の内なる力を
弱体化させていきます。
それは精神面だけでなく、
肉体面にも顕著に現れます。
すべてを与えられる
過保護な温室育ちが脆弱になるのは
その典型です。

「生活」とは、文字通り「生を活かす」こと

自分の内側の力を高める工夫を、
日々の生活の中で実践していく。
呼吸・食事・排泄・運動・精神活動――
生きることの基本をもう一度見直し、
生命の働きに沿った自然性を回復させていく。
「生活」という言葉が示す通り、
「生を活かす」ことが土台になくして、
人間らしい生命活動は生まれません。

食べて排泄するだけの存在として、
ただ「生存」することを
誰も望んではいないはずです。
「なぜ生まれ、いかに生きるのか」
その原点に立ち返って、
生活を見直していきたいと思います。

生活の「雑さ」が、あらゆる問題の根にある

現代人は生活の仕方が
きわめて雑である、と
自戒の念を込めて痛感しています。
それが犯罪行為や非人間的な所業と
無関係ではないと想像すると、
空恐ろしくなります。
犯罪に限らず、
先人の美徳であった「たしなみ」や
「気遣い」が荒廃し、
常軌を逸した言動が珍しくなくなった昨今。
もしかしたら、私たちそれぞれの日常の
「雑さ」が積み重なった
結果なのかもしれません。

今まさに、折り返し地点だと思っています。
自他の生を活かしきる人生か、
ネガティブな悪態を撒き散らす人生か。
人間として生活するか、
それとも本能のままに生存するだけか。
その分岐点は、遠い社会問題の話ではなく、
今日の自分の生活の中にあります。

呼吸・食事・排泄・運動を通じて
内なる力を取り戻したい方は、
こちらもご覧ください。

断食とは何か――我慢しないで整う、やすらぎの里の断食

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