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断食のその後。ずっと、ととのっていなくていい。

断食のことを話すと、よく聞かれることがあります。

「何キロ痩せますか?」

先日、やすらぎの里で一週間の断食をされた石川明さんも、
帰宅後のFacebookにこんなことを書かれていました。

「断食のことを話すと 一番よく訊かれるのは体重の変化です。」

そして、行く前、帰った直後、一週間後の変化を公開されていました。

体重 62kg → 58.5kg → 60kg

体脂肪率や体内年齢にも変化があったそうです。

もちろん、体重が減るとうれしいですよね。

ただ、僕が石川さんの投稿を読みながら「面白いな」と思ったのは、
その数字よりも、断食から帰った後の暮らしでした。

 

断食から帰れば、日常が戻ってくる

帰宅から一週間。

石川さんは、

「身体は至って快調です。」

と書く一方で、

「食生活はすっかり日常に戻っています。」

とも書かれていました。

これって、
とても自然なことだと思うのです。

やすらぎの里にいる間は、
食事のことを考えなくてもいい。

朝は散歩をして、
自然の中で過ごし、
温泉に入り、施術を受ける。

夜は早めに休む。

でも家に帰れば、
仕事がある。

家事もある。

会食や外食もある。

おいしいものだって食べたい。

やすらぎの里での暮らしを、
そのままずっと続けることはできません。

そもそも、
やすらぎの里に来るのは、
日常を捨てるためではありません。

また日常に帰っていくために来るのです。

石川さんの滞在中の様子は、こちらの記事で紹介しています。
「休むために、仕事を全部忘れなくてもいい」

ひとつだけ、持ち帰ってみる

そんな石川さんが、
断食中の生活からひとつ、
日常に取り入れたことがありました。

やすらぎの里では、
毎朝20〜30分ほど散歩をしていました。

朝起きて、外に出て身体を動かす。

それを自宅でも続けられないか。

でも、起き抜けに着替えて外に出るのは、
ちょっと億劫。

そこで石川さんは、
自分なりのやり方に変えました。

寝室脇のテラスに出て、
肩と肩甲骨をほぐす。

そしてスクワットをする。

それまでほとんど使っていなかったテラスが、
新しい朝の場所になったそうです。

僕は、こういうのがいいなと思います。

やすらぎの里でやったことを、
全部そのまま続けなくてもいい。

朝の散歩がよかったからといって、
毎朝20分歩かなければ意味がないわけではありません。

5分でもいい。
テラスに出るだけでもいい。

自分の暮らしに合う形にして、
ひとつだけ持ち帰ってみる。

それが続けば、十分です。

 

ところが、その翌日

石川さんの次の投稿を読んで、
僕はさらにうれしくなりました。

その日は一日中、
執筆をされていたそうです。

集中力が落ちてくると、

「何か口に入れたくなってしまいます。」

断食中は生姜湯でしのいでいたけれど、
自宅ではそれだけでは物足りない。

そして、

「つい菓子等に手が伸びてしまいます。」

「こんなはずではないんだけどなぁ~」と(笑)。

これもまた、とても自然なことですよね。

朝のスクワットは続いている。

身体も快調。

だけど、仕事で疲れたらお菓子も食べる。

それが日常です。

 

ずっと、ととのっていなくていい

断食をしたら、
その後ずっと食生活が乱れなくなる。

甘いものが欲しくなくなる。
毎朝運動するようになる。
減った体重をずっと維持できる。

もし、そんなふうになれたら、
理想的なのかもしれません。

でも、実際の暮らしは、
そんなに簡単ではありません。

忙しいときもある。
疲れるときもある。
食べすぎる日もある。
お酒を飲む日もある。
運動できない日だってあります。

僕は、それでいいと思っています。

健康のために、
人生を窮屈にする必要はありません。

大切なのは、

ずっと、ととのっていることではなく、
自分が乱れてきたことに気づけること。

そして、

気づいたときに、
また少し、ととのえ直せること。

それが養生なのだと思います。

 

断食は、食べない一週間で終わらない

やすらぎの里での一週間は、
普段の生活とはずいぶん違います。

食事を作らなくてもいい。
仕事や家事から離れられる。
朝は自然の中を歩く。
温泉に入り、施術を受ける。
静かな時間がある。

そして、
食べることも少し休んでみる。

日常ではなかなか作れない環境に身を置くことで、

「自分って、こんなに眠れるんだ」
「空腹って、意外と平気なんだ」
「少しの食事でも、こんなにおいしいんだ」

そんな自分に出会うことがあります。

30周年に寄せられた「やすらぎの記憶」でも、
ゲストのみなさんは、やすらぎの里を
「心身の健康診断」「定点観測」「リセット充電」など、
さまざまな言葉で表現されていました。

断食をすること自体が目的なのではなく、
今の自分がどんな状態なのかを確かめる時間になっているようです。

 

100か0で考えない。小さな一歩でいい

石川さんの生活も、
これからまた忙しくなっていくそうです。

会食や外食も増える。
執筆に追われる日もある。

お菓子に手が伸びる日も、
きっとあるでしょう。

でも、それで断食が
「無駄になった」わけではありません。

朝の散歩を、
そのまま毎日続けなくてもいい。

食生活を、
やすらぎの里にいたときと同じようにしなくてもいい。

体重だって、帰った直後の数字を
ずっと維持しなければいけないわけではありません。

ひとつでも、

「これは気持ちよかったな」

と思ったことがあれば、
自分の暮らしに合う形でやってみる。

石川さんの場合は、
それが寝室脇のテラスでの体操とスクワットでした。

できる日はやる。
できない日はやらない。
忘れることだってある。

100か0ではなく、
できることを少しだけ。

それでいいのだと思います。

そして、また忙しくなって、

「最近ちょっと食べすぎているな」
「頭がいっぱいになってきたな」
「少し休んだ方がいいな」

と気づいたら、
またできるところから始める。

忘れたら、
また思い出せばいい。

僕は、そのくらいの方が、
無理なく続けやすいと思っています。

 

また乱れたら、ととのえ直せばいい

やすらぎの里には、
毎年のように来られる方がたくさんいます。

以前は僕も、

せっかく断食したのだから、
帰ってからもいい状態を続けてほしい、
と思っていました。

でも、今は少し違う。

人生は長い。

仕事もある。
家族もいる。
楽しい会食もある。
つらい時期もある。

年齢とともに、
身体だって変わります。

だから、ずっと同じ状態を
維持しようとしなくていい。

自分でできるときは、
日常の中で小さくととのえる。

それが難しいときは、
ときには環境の力を借りてもいい。

実際、長く通われているゲストのみなさんは、
再訪を「失敗」としてではなく、
「健康診断」や「定点観測」、
あるいは「故郷に帰る」ような時間として語っています。

ずっと、ととのっていなくていい。

忘れたら、また思い出せばいい。

乱れたら、また、ととのえ直せばいい。

そしてまた、おいしく食べて、
よく働いて、よく遊ぶ。

僕は、それが「養生」なのだと思っています。

石川さんの断食後の暮らしが、
これからどう変わっていくのか。

ときどき、その後の様子を
聞かせてもらえたらと思っています。

 お電話でのご予約は

TEL:0557-55-2668

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