【目次】
○糖質依存
○寄せ書きから
○編集後記
【 糖質依存 】
忙しく仕事した後に、コーヒーを飲みながら、甘いものをちょっと食べる。
休日の日に、美味しいコーヒーを入れて、ケーキをゆっくり味わう。
お手軽な、ちょっとした幸せですね。
しかし、甘いものを毎日何度も食べる、食べると止まらなくなることがある。
そんな風になってきたら、甘いものへの依存が始まっているかもしれません。
実は、僕も甘いものは好きです。
だから、甘いものが好きな人の気持ちは分かります。
だけど、食べ過ぎると体にいろんな悪影響を与えるのを
よ~く知っているので、気をつけています。
甘いものって、体だけではなく脳が欲しがる食べ物です。
だから、食べ過ぎると依存しやすい。
やすらぎの里に来る方の中にも、
甘いものを食べ過ぎて困っていますという方がたくさんいます。
そこで今回は、甘いものがやめられない、糖質依存について取り上げてみました。
「糖質依存とは」
甘いものは、すべての動物が好む味なので、
甘いものが好きだというだけでは、糖質依存とは言えません。
甘いものを頻繁に食べてしまう、
食べだすと止まらない、甘いものを食べないと落ち着かない。
そんな、甘いものに対する依存的な状態が続いているのが、糖質依存です。
それほどまでに、甘いものを食べたくなるには、きちんとした理由があります。
最初は、単に甘いものが好きだったのが、
甘いものの食べ過ぎが続くうちに、体に変化が起きて、
甘いものが、どうしてもやめられなくなる。
単に、意志が弱いとかいう問題ではなく、
体の問題として、やめられなくなっている理由があるのです。
まずは、自分が糖質依存になっているのか、簡単なチェックをしてみましょう。
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「糖質依存度チェック」
1、一日何度も甘いものを食べてしまう。
2、甘いものを食べると止まらなくなる。
3、甘いものを食べないと落ち着かない。
4、甘いものを食べない日がほとんどない。
5、夕方にお腹が空いて、甘いものを食べないといられない。
6、甘いものを食べると、疲れが一気に回復する。
6、パンやご飯、麺類が大好きで、
食事は炭水化物だけ ですませることが多い。
7、炭水化物や甘いものを食べた後、眠くなる。
8、家に帰ると、まず甘いものを食べてしまう。
9、食事をお腹いっぱい食べても、デザートが欲しくなる。
10、甘いものを食べているときが、一番幸せを感じる。
3つ以上、当てはまるものがあったら、糖質依存傾向
5つ以上あったら、糖質依存
8個以上あったら、重度の糖質依存です。
ご自分の糖質依存度は、どうでしたか?
やっぱり思ったとおり、糖質依存だったという方、
がっかりしないで、糖質依存から脱却するために、
きちんとした知識を身につけてください。
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「糖質とインスリン」
甘いものやご飯、パン、麺類などの炭水化物のものを食べると、
胃で消化されて、ブドウ糖になって、腸から血管の中に吸収されます。
血液中に入ったブドウ糖は肝臓に入り、
グリコーゲンという固まりになって、
脳を働かせたり、筋肉を動かすエネルギーになります。
使い切れずに余った糖は、すい臓から出るインスリンの働きで
、中性脂肪に変えられ、体に蓄えられます。
インスリンは余った糖を中性脂肪に変える働きがあるので、
別名肥満ホルモンなんて言う先生もいるくらいです。
糖質のものを食べ過ぎて、常に血糖値が高い状態が続くと、
インスリンがたくさん出ることになります。
しだいに、インスリンを作っているすい臓が疲れて、
インスリンを出す働きが低下して、
血糖値が下げられなくなると、糖尿病になります。
逆に、インスリンはよく出ているけど、
調整がうまくいかず、血糖値を下げすぎてしまう人もいます。
これが低血糖症といわれる病気で、糖尿病と逆の状態です。
しかし、どちらも血糖値のコントロールが
上手くいかないという意味では同じ病気といってもいいでしょう。
人間は血糖値が上がると、脳がそれを認識して、
満腹だから食事を終わりにしようと合図を出します。
ところが、甘いものを食べ続けていると、血糖値の感受性が鈍くなってきます。
血糖値は上がっているのに、満腹を感じにくいので、
たくさん食べ続け、さらに感受性が鈍くなる。
こうして、甘いものをいくらでも食べられるようになり、
食べすぎが日常的になっていきます。
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「脂肪代謝」
血糖値が上がると分泌されるインスリンは、
血糖を中性脂肪に変える働きがあります。
甘いものを毎日食べて、インスリンを毎日たくさん出し
続けていると、脂肪がたまる方向にしか働かなくなります。
そして、しだいに脂肪が燃えにくい、脂肪代謝の悪い体になってしまうのです。
さらに、脂肪が多くなると、
脂肪細胞のアディポサイトカインの働きで、
インスリンの効きが悪くなります。
そのため、さらにインスリンがたくさん必要になり、
そのインスリンはさらに脂肪を溜め込むという悪循環になってきます。
脂肪は、予備のエネルギーなので、
ある程度の空腹を超えたところで使われます。
その空腹を感じる前に、ちょこちょこ甘いものを食べていては、
脂肪が燃える必要がなくなります。
断食は、このある程度の空腹を超えさせ、
脂肪を燃やす必要があるよって、
ガツンと体を目覚めさせる、ショック療法の効果もあります。
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「糖質依存からの脱却」
先生、甘いものを食べ過ぎてはいけないというのは、もう分かりました。
そんなこと、先生に言われなくても分かってます。
だけど、分かっちゃいるけどやめられないから、困ってるんですよ。
そうですよね。
意志の力でやめようと思ってもやめられないのが、依存の難しいところです。
依存から抜け出すためには、段階的にステップアップしていかなければいけません。
これから教える方法は、
糖質に依存してしまっている方が、そこから脱却する方法です。
甘いものは食べるけど、
それほど食べ過ぎないという方は、ここまではしなくていいですからね。
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「糖質依存の改善・3ヶ月プログラム」
何年間も糖質に依存し続けて出来上がった体を
何日間かですぐに改善しようと思っても、それは無理です。
お手軽な、○○○ダイエットみたいな、
サプリメントも、根本的な改善にはつながりません。
その場しのぎの方法ではなく、3ヶ月かけて、しっかり体質を変えていきましょう。
糖質依存を改善するときに、一番つらいのが最初の1週間です。
これは、アルコールやタバコをやめるときも同じで、
最初の1週間をうまく乗り切れれば、その後はだいぶ楽です。
最初の1週間で、糖質依存のサイクルを断ち切って、
その後の、一週間は少しがんばってその習慣を定着させ、
その後、3ヶ月かけて、無理なく体質を変えていきます。
最初の1週間、次の3週間、その次の2ヶ月、
この3ヶ月で体質をスムーズに変えていくのです。
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「導入期・一週間」
最初の一週間は、きっちり糖質制限食をおこないます。
糖質制限食とは、食事の中の糖質だけを抑えて、
たんぱく質や脂質は、しっかりとる食事です。
甘いものだけではなく、ご飯やパン、麺類、果物など、糖質のものは食べません。
そんな、極端だと思うかもしれませんが、糖質依存から脱却するためには、
一時的に糖質を完全に抜く期間が必要です。
ずっと食べるなと言っているわけではありません。
最初の1週間だけです。
1週間だけなら、厳しいことでもがんばれます。
ここで、体が切り替わると思ってがんばりましょう。
自分じゃ絶対無理だという方は、最初の1週間だけでも、
やすらぎの里のような専門施設で過ごせたら、だいぶ楽にできますよ。
糖質制限食のことを詳しく書くと、
それだけで終わってしまうので、下記の本を参考にやってみてください。
糖質制限食を成功させるポイントは、総カロリーは減らさないことです。
お野菜もたくさん食べて、食事の量も減らさないで、
空腹感を我慢することがないようにしましょう。
お肉もお魚も乳製品もどんどん食べてOKです。
揚げ物や炒め物など、油を使った料理も大丈夫。
たんぱく質と脂質はしっかりとって、糖質を抑えることで
減った分以上のカロリーは摂るようにしてください。
ここで、体重を減らそうと思って、
カロリーを減らすと、後が続かなくなります。
最初の1週間は、糖質ではなく、
脂肪を燃やせる体に切り替えるのが目的です。
糖質に蓄えた糖がなくなると、肝臓で糖新生という働きがおこり、
脂肪がエネルギーとして使われるようになります。
このとき大事なのが、たんぱく質と脂肪はきちんと摂ることです。
たんぱく質や脂肪はしっかり摂りながら、糖質だけを減らすことで、
筋肉は減らさず、脂肪を燃やせる体に切り替わりやすくするのです。
●主食をやめると健康になる
糖質制限食で体質が変わる!
ダイアモンド社 江部康二著
糖質制限食の詳しい解説や疑問と不安を解消する
Q&A、季節の献立や食品別の糖質表も付いている。
●主食を抜けば糖尿病は良くなる!
糖質制限食レシピ集
東洋経済新報社 江部康二著
こちらの本は、糖質制限食のレシピ集です。
料理のレシピや献立が出ているだけでなく、ご飯好き
の人用に、代替主食などのアイディアや外食するときの
知恵、コンビニ活用法などのお役立ちコラムもある。
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「定着期・次の3週間」
最初の1週間で、糖質から脂肪を燃やせる体に切り替わってくるので、
次の3週間で、その習慣を定着させていきます。
ただ、最初の1週間のように、気合だけでは続かないので、
この3週間は、少しゆるめの糖質制限食にします。
ここからは、朝食と昼食のどちらか一食は、お米を食べるようにします。
同じ炭水化物を食べるなら、パンを食べたいと思う人もいると思いますが、
ここではパンではなく、ご飯にしてください。
糖質依存の人にとって、パンは食べ過ぎのスイッチになりやすいので、
できれば、お米に切り替えたいところです。
玄米が食べられる人は、玄米ご飯だと理想的です。
一週間糖質を制限していると、
糖質を効率よくエネルギーに変えられるようになっています。
甘いものやパンのように急激に血糖値を上げるものから、
ゆるやかに血糖値を上げるお米に変えると、
食べた後の血糖値が安定しやすいので、間食の予防にもなります。
最初の1週間と同じく、お野菜やたんぱく質、脂質は、
しっかり摂って、カロリーも食事の量も減らさないように。
最初の1週間がしっかりできていれば、
糖質制限食も47慣れてきているころです。
ただ、慣れてきた分だけ、気が緩んで、
つい、甘いものに手が出やすい時期でもあります。
せっかく、脂肪が燃える体に切り替わったのをこの3週間で、
しっかり定着させていく大事な時期です。
また、一食だけですが、お米も食べ始めるので、動くのも楽になると思います。
ストレスで甘いものに手を出さないように、散歩などの運動を始められたらいいですね。
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「体質改善期・最後の2ヶ月」
最後の2ヶ月は、定着した糖質制限食を
無理なく日常生活で続けて、体質を変える期間です。
この期間は、普通の食事に近い、プチ糖質制限食です。
一日一回はお米を食べて、もう一回は好きな糖質ものを食べていいです。
例えば、朝はパンで、昼はご飯とか、朝に果物を食べて
、昼はご飯とか、昼に麺類を食べて、夜にご飯とか。
ただし、菓子パンなど甘いものを食事の変わりにするのはNGです。
また、夜9時過ぎから食べ始めるときは、
糖質のものを摂らないようにしましょう。
夜遅くなったときは、
豆腐を主食の替わりに食べるのが、手軽でおすすめです。
この2ヶ月を乗り切れば、体質が変わって、
糖質依存から抜け出すことができるでしょう。
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「3ヶ月経ってから」
3ヶ月やり遂げることができたら、糖質ではなく、
脂肪をエネルギーに使える体に切り替わっています。
もう、甘いものも、少しは食べて大丈夫です。
ただし、本当に自分が食べたいもので、
美味しいものを少しだけにしましょう。
だらだら食べていると、
また、甘いものがないといられない、糖質依存の体に戻ってしまいます。
どうしても甘いものがたくさん食べたくなったら、
果物をたっぷり食べるといいです。
果物は糖分も多いけど、食物繊維も多いので、
血糖値の上がり方が緩やかで、依存にはなりにくいので安心です。
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「自分では続けられそうもない人は」
自分では続ける自信がない人や、今まで何度もリバウンドをしている人は、
やすらぎの里のような専門の施設を利用すると、無理なくスタートできます。
なんでも、やり始めるまでは大変ですが、やり出すと勢いがついてきます。
また、始めて1ヶ月くらいは、張り切ってがんばりますが、
そのがんばりがプツッと途切れるときがあります。
それが、2ヶ月目と3ヶ月目頃が多いようです。
逆に、ここをうまく乗り切れば、あとは自分でがんばれるので、
自分でがんばれる自信のない方は、このくじけやすい頃に、
前もって予約をしておくと安心です。
おすすめの利用の仕方は、次の通りです。
●糖質依存の改善プラン例
1、最初の1週間 本館の一週間・糖質制限食で滞在。
まず、最初の一週間で体を切り替えます。
2、スタートしてから2ヵ月目 高原館で3泊・糖質制限食
3、スタートしてから3ヵ月目 高原館で3泊・糖質制限食
一番大変な最初の1週間と、1ヶ月に一度の滞在で、
食生活を見直せば、3ヶ月も無理なく乗り越えられます。
これから暖かくなる季節は、甘いものをやめるには、いい時期です。
糖質依存から脱却して、脂肪代謝のいい、疲れにくい体を目指してみませんか。
【 寄せ書きから 】
やすらぎの里では来ていただいた方が、
お帰りの際に、寄せ書きを書いてもらっています。
滞在中の感想から感謝の声まで、
すべてスタッフみんなの活力になっています。
その中の一部をご紹介させていただきます。
お世話になりました。
ここ最近にはないリラックスと、
健康的な生活を送ることができて、とても満足できました。
やすらぎの里は安心感と、
落ち着きに満ちていて、リピーターが多いのも納得です。 30代 女性
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38年勤続して定年退職。
今まで夏休みにしか来れなかったのに、
春のこんなすばらしい季節に来れて、幸せでした。
心も体もリセットして、第2の人生を考えなくてはと思っています。
先生、スタッフのみなさん、
いろいろお世話になって、ありがとうございました。 60代 女性
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一週間ありがとうございました。
毎日、お家に帰ってきたみたいに、玄関の戸を開けていました。
始めてくる場所なのに、なんだか懐かしい・・・。
本当にやすらげる場所ですね。
「生きていて良かった」と心から思うことが出来ました。
体を動かすこと、命(食)を頂くこと、
忘れていたことを思い出すことができて最高です。
ありがとうございました。 30代 女性
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今年で12年目と知り、びっくりしました。
長い間、夫婦でお世話になっております。
年に一度の体調のリセットで、今まで健康な生活を送ってこられました。
やすらぎの里がいつまでも変らず、
やすらぎを提供してくれる場所であるように。
これからもよろしくお願いします。 50代 女性
「編集後記」
10月桜から始まり、12月の熱海桜、2月の河津桜、
3月の大島桜、桜並木を桜のトンネルにするソメイヨシノ、
ピンクの枝垂桜、そして八重桜で桜の季節が終わります。
桜が終わると、伊豆高原は鮮やかな新緑で覆われます。
晴れた日は、みずみずしい新緑がまぶしいくらいです。
今年は、自分もしっかり充電する年にしようと思い、
いろんなところに出かけたり、泊まりに行っています。
自分がもてなされる立場になると、
いろいろ気づくことがありますね。
外で食べる機会も多くなるから、
甘いものには気をつけよ・・・。(^^;) 大沢
[…] 出典やすらぎ通信 Vol.96 【糖質依存】 | やすらぎ通信 | やすらぎの里 本館 | 温泉のある断食道場 […]