【目次】
○断 食
○やすらぎのレシピ
「大根のポタージュ、大根のステーキ」
○情報スクランブル
「おすすめの書籍」
病気は才能
ようこそ断捨離へ モノ・コト・ヒト、そして心の片づけ術
眠りのヨガ・CDをかけてあとは寝るだけ
○寄せ書きから
○編集後記
【 断 食 】
昨年から、「断捨離」がブームになっていますね。
特に、12月は大掃除にからめた特集が組まれているようで、
いろんな雑誌で、見かけます。
やすらぎの里でおこなっている「断食」は、
いわば「断捨離」のカラダ編の実践のようなものです。
1年を締めくくる、今回の通信は「断食」をテーマにお送りします。
「食を断つということ」
食べることは、生きること。
動物にとって食べることは生きることそのもの。
だけど、人間にとって、食べることは、
生きることではなくなってしまいました。
毎日の楽しみであり、もっともお手軽な快楽。
ストレスの発散、寂しさをうめてくれるもの、精神安定剤・・・。
自分でも気がつかないうちに、食べることが、
いろんな役割をもつようになっている場合があります。
自分が本来向き合わなければいけない、大切なことや感情など。
無意識のうちに、食べるという、
お手軽な解消方法に頼り切っていることがあります。
食を断つ、ということは、食の大切さを知るということだけではなく、
食べるということで、紛らわしていた、自分の本当の気持ちと向き合うこと。
生きていれば、いろんな問題があります。
だから、食べることで、紛らわしてもいいんです。
ただ、自分はこんな気持ちを持っている、こんな感情を抱えている。
それをしっかり知っていて、その上で、
とりあえず食べて紛らわすのか、それとも、向き合ってみるのか。
食を断つということは、食を通して、
自分自身と向き合うことでもあるのです。
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「断食は自然な治療法」
自然の中で暮らす動物は、体調を崩すと食べないで、
一日中うずくまって寝ています。
食べないことで内臓を休め、動かないことで身体を休めて、
身体のエネルギーを自然治癒に回しています。
これはなにも動物だけの話ではありません。
人間でも赤ん坊のうちは、
おっぱいを飲ませようとしても調子が悪い時は飲もうとしません。
大人でも、本当に体調が悪くなると食欲が低下して、
身体がだるくなって動きたくなくなりますね。
これは、今は体の修復で忙しいから、消化したり、
動くのはちょっと待って、というからだの声です。
ところが、大人はなんでも頭で考えて行動するので、
「調子の悪い時は栄養を取らなければ」と
食欲もないのに無理に食べたり、
「健康のために毎日運動しなければ」といって、
自然な身体のサインに従わないのです。
忙しい毎日を送っていれば、いつもからだのサインに
従っているわけにもいかないのはよくわかります。
だからこそ、たまには自然の動物をお手本にして
内臓を休めたり、ゆっくり身体を休めることが必要なのだと思います。
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「断食の効用」
断食は医療や健康法、宗教など、
いろんな分野で、いろいろな目的に使われていています。
それぞれの分野でいろんな効果が言われていますが、
医学的にも立証されている効果には、以下のようなものがあります。
1、内臓の休息
食べ物を食べてからそれらが消化、吸収されるまで長いものだと
20時間もかかるものもあります。
空腹を感じて食べていればいいのですが、
ストレスや楽しみで食べるのが続くと、
内臓を必要以上に酷使することになります。
食べなければ消化や吸収の働きから開放されるので、
内臓の疲れが取れて機能が回復してきます。
2、脳の疲労を取る
人はストレスを抱えると、
気になっていることをずっと考え続けたりします。
特に人間関係や将来の不安、仕事のトラブルなどは、
長く続くことが多いので、脳を極端に疲労させます。
ところが断食で空腹になると、
ややこしい人間関係や将来の問題よりも、
今現在の空腹の方が大きな問題だと認識されて、
気持ちが自然に切り替わってきます。
普段は何をやっても気になっていることから
頭が離れない人でも、断食をすると、頭が空っぽになります。
断食が終わる頃になると気分がすっきりして、
とても爽快になれるのは、
脳の疲労が取れて活発に働くようになったからです。
3、身体の大掃除
食べすぎや外食が多い方は、糖分や脂肪分、塩分などが、
体の処理能力を超えて、体に溜まっています。
断食中は、余分な栄養がないので、脂肪がエネルギーに変り、
余分な脂肪が減ったり、高血糖の状態が改善されます。
また、過剰な塩分も尿として排泄されるので、
むくみもとれてすっきりした体になります。
4、自然治癒力が高まる
自然からかけ離れた生活をしている現代人は、
環境の変化に対する適応力が低下しています。
ところが断食をすると、
そのショックで体の野生の力が目覚めてきます。
特に自律神経やホルモン、免疫の働きが活発になり、
自然治癒力がアップしてくるのです。
5、味覚が変化して食生活が改善できる
断食をすると味覚が敏感になり、
自然なものが美味しく感じられるようになります。
自然な味覚が戻ると普段の食生活を無理なく変えることができます。
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「断食のダイエット効果」
断食というと減量のために
おこなうものだと思っている方も多いようです。
確かに食べないので体重は減りますが、
体重を減らすためだけなら低カロリーの食事をして、
運動をする方が理想的な減量の方法です。
断食の本当のダイエット効果は減量というよりも、
心身の浄化と味覚の変化にあるといってもいいでしょう。
現代人のほとんどが、
動く量以上のものを食べているので、脂肪は蓄えられていく一方です。
ところが断食をして半日以上経つと、
身体に蓄えていた脂肪が少しずつ燃焼されてきます。
一番初めにエネルギーとして使われるのが、
血液中のコレステロールや中性脂肪、
その次が肝臓に蓄えられていた脂肪分です。
このように不良債権のごとく蓄えられていた脂肪分が、
断食により消費され、血液がサラサラになり、
内臓の脂肪が減って身体の内側からきれいになってきます。
また、断食をすると味覚や嗅覚が敏感になり、
刺激的な味に慣らされていた味覚が
自然な素材の美味しさを感じられる味覚にリセットされてきます。
動物は本来自分の身体にいいものを美味しいと感じる味覚を持っています。
草食の動物が草を食べるのはダイエットのためでなく、
ビタミンを補給するためでもありません。
それが美味しく感じるから食べているだけです。
人間のように「これがいいからと」
頭で考えた知識で無理に食べたりすることはありません。
人間にも他の動物のように身体にいいものを
美味しいと感じる味覚があるはずですが、何でもやわらかく調理され、
刺激的な味付けに慣れてしまい、本来の味覚が狂ってしまっているのです。
断食をすると動物本来の味覚が戻ってくるので、
人間にとって理想的な食事(=素材の味を生かした伝統食)を
美味しいと感じられるようになるのです。
この味覚が狂ったままだと、
身体にいい食事=美味しくない食事ということになり、
いずれ我慢の限界になり、また以前の食習慣に戻ってしまうのです。
どんなに身体にいいと言われても、まずく感じるものでは続きません。
身体にいいものを美味しいと感じる味覚さえ取り戻すことができれば、
好きで食べているものが
身体にいいものになるので、我慢は必要なくなるのです。
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「断食をおこなう場合の注意点」
断食をおこなう場合は、必ず回復食といって、
断食後から始まる段階的に増えていく食事を取ることが鉄則です。
基本的には、断食した日数と同じ期間をかけておこないます。
断食で内臓を休めて、内臓が無理なく普通の食事に戻っていく
回復食をきちんと取ることで、はじめて断食の効果が発揮されるのです。
自分でやると、この回復食がなかなかうまくいかないのです。
1日以上の長い断食をするときは、専門の施設に行くのがいいですね。
食の誘惑のない環境で、身体もこころも空っぽにすることは、
まさに命の洗濯といえる体験だと思います。
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「足るを知る」
3月の震災の後しばらくは、普通に暮らせるだけで、
ありがたいな~って感じた人が多かったと思います。
電気が普通に使えて、蛇口をひねれば水が
いくらでも出て、温かいお風呂にも毎日入れる。
ところがそれが毎日続いてくると、当たり前になってきて、
ありがたいって感じられなくなってしまいます。
食べるものでもそうですね。
温かいものが食べられるだけで、
幸せって思っていたのが、もっと、もっと・・・。
どんどんエスカレートしてくると、満たされないばかりか、
苦しくなってくる場合もあります。
そんなときは、当たり前にあるものを断ってみると、
もう一度、感謝の気持ちが蘇ってきます。
もっと、もっとの先に、本当の満足はありません。
ありがたいという気持ちを忘れないために、足るを知る。
断食は、まさにそのためのもの。
過剰な食欲、増えすぎた体重、ストレスでいっぱいになった頭、
こじれてしまった人間関係、
自分を苦しめるほどに膨らんだ欲、執着、とらわれ・・・。
一度そのすべてから離れて、
お腹も頭も空っぽにして、リセットするのです。
余分なものをそぎ落として、身軽になる爽快感。
自分にとって、本当に大切なものは何か?
日本の大きな節目の年だから、
自分をじっくり見つめ直す時間をもちたいですね。
【 やすらぎのレシピ 】
この時期、やすらぎ農園は大根がたくさん取れています。
次々収穫される大根を無駄なく使うために、
いろんな大根料理を考案しています。
大根って和風の食材って感じがしますが、
洋風の料理でも美味しいんですよ。
温かい大根の料理をたくさん食べて、体の内側から温まって下さい。
「大根のポタージュ」
大根の甘みと豆乳のなめらかさが絶妙にマッチした、
これが大根って感じのポタージュです。
週末のディナーで、ゲストの方に大好評の一品です。
●材料 4人分
大根15cm位、玉ねぎ1/2個、豆乳3カップ、
だし汁2カップ、小麦粉大さじ3
●作り方
1、大根と玉ねぎを薄くスライスする。
2、スライスした玉ねぎを油を入れた鍋で少し炒め、
小麦粉を入れ1分炒める。
3、2にだし汁とスライスした大根を加え15分間弱火で煮て冷ます。
4、3が冷めたらミキサーにかけてどろどろにして、
鍋に入れて豆乳を加えて、泡だて器でよくかき混ぜながら、
塩とコショウで味を調える。
5、あれば、大根の葉をゆでたものをトッピングにする。
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「大根のステーキ」
大根がメイン料理になる、食べ応えのある一品です。
一度大根を煮た後に、冷まして、
味を充分しみこませるのが、美味しく作るポイントです。
大根はカロリーがほとんどないので、
これなら体重が気になっている方でもたくさん食べても大丈夫です。
●材料 4人分
大根1/2本、出し汁2カップ、薄口醤油、塩
みりん大さじ1、酒大さじ1、ポン酢、オリーブオイル少々
●作り方
1、大根を輪切りにして、角を落とし、米のとぎ汁で、下ゆでする。
2、下ゆでした大根を出し汁と調味料で煮て冷ます。
3、2をオリーブオイルをしいたフライパンで焼き、
軽く焦げ目がついたら、醤油とみりんを入れて照りをつける。
4、大根の上に大根おろしと刻んだ大根葉をポン酢で和えたものをのせて、
ゆでた大根葉と一緒に盛り付ける。
【 情報スクランブル 】
「おすすめの書籍」
●病気は才能
おのころ 心平著 かんき出版
病気は才能っていう、その転換の発想が、
すばらしいなって思います。
この本の中で、特に納得したのが下記の文章です。
本人にも気づかない才能が、
本人にも気づかない生活上の制約によって抑圧され、
本人にも気づかない葛藤をカラダに生み、
それが、カラダの症状として表現されてしまっている・・・。
それが明らかになり、
「ああ、そうか、だからこういう症状なのだ」ということが、
ご本人の腑に落ちると、そこで新しいココロの習慣や、
日常の行動習慣へのマインドシフトが起こります。
それにしたがってカラダは、
症状に使っていた葛藤のエネルギーを解放し、
本来使うべき「その人らしさ」へと変換していきます。
つまり、病気がその人の才能として解放されていくのです。
●ようこそ断捨離へ モノ・コト・ヒト、そして心の片づけ術
やました ひでこ著 宝島社
断捨離セミナーでの受講生とのかかわりを中心に、
著者が「断捨離」についての考えを深めてゆく過程が、
手に取るようにわかります。
「断捨離」を実践されている方はもちろん、
「断捨離」に興味を持った方が最初に読む本としても最適です。
つかわないモノは手放す!
ためらっている自分に踏ん切りをつける本です。
●眠りのヨガ・CDをかけてあとは寝るだけ
綿本 彰著 新星出版社
この本は、ヨガニドラ(眠りのような瞑想法)について書かれた本です。
本で詳しい説明を読んで理解して、
付属のCDで寝ながら、実践できるようになっています。
寝ながら瞑想できるの?
僕もそう思いましたが、呼吸法を使ったり、
独特の集中法を使い、意識の深いところに働きかける、
イメージトレーニングのような方法です。
眠れない方は一度、試してみてはどうでしょうか。
【 寄せ書きから 】
やすらぎの里では来ていただいた方が、
お帰りの際に、寄せ書きを書いてもらっています。
滞在中の感想から感謝の声まで、
すべてスタッフみんなの活力になっています。
その中の一部をご紹介させていただきます。
本当に疲れていたので、最初の2日間は、
ひたすら寝ていましたが、おかげですっきりリセットできました!
静かな場所で、館内もきれいで、本当にやすらげました。
回復食の美味しさも忘れられません。
本当にありがとうございました。 30代 女性
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毎日、毎日おどろきの一週間でした。
自分の体がちゃんと呼吸しはじめました。
こういう場所があったということに感謝です。
また来たいと思っています。
本当にありがとうございました。 60代 女性
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一週間、本当にありがとうございました。
呼吸することの大切さ、食べることの大切さなどなど。
日々、当たり前にしていることが、
いかに健全な心と体に大切か実感しました。
頭も体もすっきりしてます。
次は桜の時期に来たいなぁ。
スタッフのみなさんもお元気で! 30代 女性
「編集後記」
12月の冬休みの期間中、岩手の実家に帰ってきました。
実家は津波で流されてしまったので、今は小さな借家住まい。
前の家が、大きな家だったので、
さぞかし、不自由な生活をしているかと思っていましたが、
思いの他、普通に暮らしていました。
家が小さくなった分だけ、家族が寄り添って暮らしています。
大きな家や蔵や庭もなくなったけど、家族の絆は、残ってました。
みんなから預かっていた寄付金に、自分の気持ちを足して、
役場に直接持って、手渡してきました。
手続きが終わったら、中学の先輩だった村長さんが
わざわざ出てきて、挨拶をしてくれました。
うれしかったな~。
震災の後、自分の持ち場を守って、仕事を続ける。
それが一番の貢献だと思っていましたが、
正直、現地に行ってあげられない、後ろめたさも感じてました。
現地に行って、自分の手で、渡せたことで、
自分の気持ちに整理がつきました。
これからも、ずっとずっと、自分の故郷“東北”を
支えていこうと思いを新にした、冬休みでした。
今年ほど、みなさんの応援が心に響いた年はありません。
みなさん、本当にありがとうございました。
来年が良い年でありますように。 大沢
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