分子生物学者ニコライ・シェブチュクは、この二つの要因が重なるとうつ病が引き起こされるという仮説を検証している。
1、生理的ストレッサーを欠く生活をしている場合。生理的ストレッサーとは、人類が何百万年も昔、霊長類時代から経験してきた体温の急激な変化のこと。こうした体温調節運動が不足すると、脳の機能が適切に働かなくなる可能性がある。
2、ほかの人よりもストレスの影響を強く受けやすい遺伝的性質。
寒さへ身体をさらすことにより、交感神経系が活性化され、βエンドルフィンとノルアドレナリンの血中濃度が上昇し、脳内のノルアドレナリン放出が増える。
さらには感情のバランスを保つ働きのある「セロトニン」脳の報酬・快感の中枢を制御する神経伝達物質で、運動や情緒反応を調節する「ドーパミン」別名愛情ホルモンと呼ばれる「オキシトシン」が多く分泌される。
それによって、ストレスが緩和する、寒さ・冷たさへの耐性がつくられる、免疫力が向上する、痛みが和らぐ、疲労が回復する効果がある。
僕が心身の健やかさを追究する中で「野生化」にたどりつき、文明を離れ、野山を駆けたり、温冷浴などのワイルドな刺激を推奨してきた。
「SISU」は女性ジャーナリストが自らのうつをはじめとした心身の不調がフィンランドの「アイススイミング」や「サウナ」「森林浴」などで改善した実体験に基づいて書かれており説得力がある。
そして僕のたどりついた境地がフィンランドにあったのだとわかりうれしくなった。
これから寒さが厳しくなる。
冷えを恐れ敵視し温めることが常識となっている。
僕はあえて寒冷を好意的に受け止めようと声高に叫びたい。
世界を、生命を、信頼する偉大な行為だからだ。
敵を味方に、毒を薬に、地獄を極楽に変えるのも、我が胸三寸にあり!
今日も僕はサウナと水風呂につかる。
世界平和への、ささやかだが力強い一歩だと信じて…
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