やすらぎの里の大沢です。
私も、皆さんと同じように年齢を重ねていますので、
「そういえば、昔より物忘れが増えたかな…?」なんて、
日常の中でふと感じることがあります。
特に60歳になって、自分自身の変化もそうですし、
親のことなどもあって、「もの忘れ」という言葉が、
ちょっと気になってきます。
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「ただの物忘れ」と「認知症予備軍(MCI)」どう違う?
「これって、単に年を取ったせい? それとも…?」
そんな風に、漠然とした不安を感じている方もいるのではないでしょうか。
今日は、そんな「気になるもの忘れ」について、
正しい知識を持つことが、
将来の安心に繋がるというお話をさせてください。
「あれ?これも年のせい?」気になる物忘れの正体は…。
年を重ねれば、誰でも多少の物忘れは自然なことです。
昨日のお昼ごはんのメニューが思い出せなかったり、
知り合いの名前がすぐに出てこなかったり…。
これは「加齢によるもの忘れ」と言われる、
いわば脳の自然な変化のようなものです。
でも、中には、この「ただの物忘れ」とは少し違う、
「軽度認知障害(MCI:エム・シー・アイ)」と呼ばれる状態があります。
MCIは、「認知症の一歩手前」と言われることもありますが、
ここでのポイントは「あくまで手前の段階」である、
ということなんです。
「ただの物忘れ」と「MCI」、
どう違うの? 具体的な例で見てみましょう
一番大きな違いは、その物忘れが
「日常生活にどれくらい影響しているか」という点にあります。
例を挙げると…
ただの物忘れの場合
・昨日の夜ごはん、「何食べたっけ?」とメニューの一部を思い出せない。
でも、ごはんを食べたこと自体は覚えている。
・メガネや鍵をどこに置いたか忘れるけど、探せば見つかる。
・人の名前がすぐに出てこなくても、時間が経ったりヒントがあったりすると思い出せる。
・約束があったことは覚えているけど、時間や場所がちょっと曖昧。
・本人が「忘れちゃった!」と自覚していることが多く、笑い話にできる。
・物忘れがあっても、メモをとるなどの工夫で、普段の生活で困ることはほとんどない。
MCIの場合
昨日の夜ごはん、「え、食べたっけ?」のように、
食事をしたこと自体を覚えていないことがある。
新しい出来事を覚えるのが難しくなるのが特徴。
物の置き場所を頻繁に忘れ、全く思い出せなかったり、
いつもと違う場所にしまってしまい、
探してもなかなか見つからないことが増える。
知っている人の名前がなかなか出てこず、
ヒントがあっても思い出せないことが増える。
約束をしたこと自体を忘れてしまうことがある。
本人の自覚があまりなく、
周りの人が変化に気づくことが多い。
買い物で同じものを買ってしまったり、
金銭管理や、慣れた道での運転など、
以前は難なくできていたことで戸惑ったり、
時間がかかったりするなど、
日常生活に少し影響が出始めている。
このように、
「ただの物忘れ」が体験の「一部」を忘れることが多いのに対し、
MCIでは体験「全体」を忘れたり、
日常生活のちょっとした部分に影響が出始めたりする、
という違いがあるんですね。
MCIって、放っておいても大丈夫? その後の経過は?
MCIと診断された方が、必ず認知症になってしまうかというと、
決してそうではありません!
MCIと診断された方のその後の経過は、
人によって様々です。
・MCIの状態のままでいらっしゃる方。
・認知機能が回復して、MCIではなくなる方。
・残念ながら、認知症に進行してしまう方。
年間で数パーセントの方が認知症に移行するというデータもありますが、
大切なのは、MCIの段階で適切な対応をすることで、
認知症への進行を遅らせたり、
中には回復したりする可能性があるということです。
もしかしたら…と思ったら。
検査の種類と相談できる場所
もし、ご自身や大切な人の物忘れが、
「ただの物忘れとは違うかも?」と気になったら、
一人で悩まずに専門家に相談してみましょう。
どんな検査があるの?と思うかもしれませんが、
難しいものではありません。
まずは、お医者さんが、
・日頃の様子をじっくり聞いてくれる「問診」。
・記憶力や判断力などを簡単なテストで調べる「神経心理検査」。
・脳の形や働きを見る「画像検査(MRIやCTなど)」。
・必要に応じて血液検査など。
これらの検査を組み合わせて、総合的に判断します。
どこに相談すればいいの?と思ったら、
まずはかかりつけのお医者さんに相談してみるのが良いでしょう。
その他に、
「もの忘れ外来」や「認知症専門外来」のある病院
神経内科、精神科、脳神経外科など
の専門の医療機関でも診てもらうことができます。
また、どこに相談したら良いか分からない場合は、
お住まいの市町村にある
「地域包括支援センター」に連絡してみるのもおすすめです。
専門のスタッフが、適切な相談先を教えてくれます。
ウェブサイトなどで見かける「セルフチェックシート」は、
あくまでご自身で状態を振り返るための「目安」として活用してください。
診断は必ず医療機関でおこなってください。
「心と体を整える」ことが、将来の安心に繋がる
やすらぎの里が大切にしている「心と体を整える」ことは、
実はこういった将来の安心にも繋がっています。
日常の忙しさから離れて、心穏やかに過ごし、
体に良い食事を味わい、温泉でリラックスし、適度な運動を取り入れる。
ストレスから離れ、質の良い睡眠をとる。
こういった一つ一つが、
脳の健康を保つことにも繋がってきます。
もし今、「もの忘れ」で、
ちょっぴり心がモヤモヤしている方がいらしたら、
自分を責めないでください。
そして、必要な情報を得て、
生活習慣を整えていきましょう。
やすらぎの里は、皆さんの心と体がやすらぎ、
未来への安心を育む場所でありたいと思っています。
日常から離れて、心と体をととのえる。
やすらぎの里の詳しい資料は、
こちらでダウンロードできます ↓
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