日本の農業について考えさせられた日

芝居が好きな稲毛です
先日新宿の紀伊国屋サザンシアターで青年劇場公演
「結の風らぷそでぃ」を観ました
主人公の女性が都会暮らしが合わないと田舎に戻り
祖父の後を継いで農業を始めます
しかも有機農法を目指すので失敗の連続です
やがて家族や周囲の人たちの協力を得て少しずつ進歩
していく姿が描かれているほのぼのとして楽しい芝居
でした
その中で今までの農業政策に翻弄された後悔や後継者
問題、などなど盛り込まれています
声高々に問題提起するのではなく、さりげなく観る側
に考えさせるような所が好感が持てます
その中の1つに今年国会を通過した「農地法改正案」
がありました
これにより今までは参入が規制されていた企業が農業
に参入できることになりました
今までは買い付けて販売、加工していたものを自社で
全部やることができます
当然価格は安くなるので、悪いことではないと思って
いました
この芝居の中では農業は天候にも左右され収入が安定
しないことや、農地は放っておけば使い物にならなく
なることが語られています
それと合わせて派遣切りにあった若者も登場させ伏線
を張っていました
つまり企業が参入するにはまず農地を取得しなければ
なりません
休耕地を買いあさるでしょう
また、価格競争で小規模農家は負けてしまうから耕地
を手放すか、下請けのような形態になる可能性が大き

万一天候不順が続き企業が儲からないと農業から撤退
したらどうなるかと芝居の中から訴えています
人という存在も簡単に切り捨てることができる企業の
倫理無き体質なら、簡単に農業から撤退するだろうと
いう意見のようです
荒れ放題の農地が残り、食料の自給率も下がると危惧
しています
昨今の派遣切りを見ていると案外ありえるかとも考え
させられました
昨年から自分達で野菜を作り始めましたが、安全性と
効率は両立しないことは身をもって感じています
更に採算性を考えたら農業を本業にすることは大変な
ことだと思います
今の自分達にできることをきちんと考えねばならない
と考えさせられた一日でした

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