●目次
○八ヶ岳の森から「八ヶ岳は紅葉の季節を迎えます」
○特集「人はなぜ食べ過ぎるのか」
○フォルスの台所から「秋の献立、フォルスのレシピより・カボチャのコロッケグリーン
ソース」
○情報スクランブル「アネモネに紹介されました、癒しのスペース紹介、摂食障害に
詳しいクリニック美味しいお店紹介、書籍紹介」
「八ヶ岳は紅葉の季節を迎えます」
標高1000mの八ヶ岳の山麓では、そろそろ紅葉が始まっています。他の木に先駆けて赤くなるのが、カエデ、白樺、うるしです。空が高く、澄みきった青空が広がって、山がきれいに見えるようになり、紅葉した木々の葉が、青空に映えてとてもきれいに見えます。
だれが見ていなくともそんなことにはおかまいなしに、毎年毎年、順番を間違わずに、きれいな芸術作品を見せてくれます。自分の役目を終えた木々の葉が、最後に一番きれいな姿を見せて散っていくなんて、自然は何と粋な計らいをしてくれるのでしょう。
気温が下がり空気が澄んでくると、夏の間は雲がかかってなかなかきれいな姿を見せてくれなかった富士山や南アルプスもその姿を惜しみなく披露してくれます。時々冷たい風が吹くと、また寒い季節がやって来たんだなと、寂しいような気がしますが、青く晴れわたった空に、八ヶ岳の山並みがくっきり見えると心が洗われるようです。
八ヶ岳の山麓は、暮らすほどに自然とのつながりを感じられるところです。
「人はなぜ食べすぎるのか」
ほんの何十年か前までは、人間を含むすべての動物はすべて飢えとの戦いを余儀なくされていました。一度食べたら次にいつ食べ物にありつけるか、保証はまったくありません。それでも生き延びて、種族を次の世代に伝えていかなくてはなりません。こんな状況に適応するために、動物は飢えに対してはかなり強くできているのです。断食を経験したことがある方なら分かると思いますが、普通の人ならかなりの期間、水さえあれば生きていけるものです。世界最高の断食記録はアメリカで体重280キロの人が380日間水だけで過ごしたという記録もあるくらいです。これは他の動物も同じことで、野性動物なら水さえあればかなり長期間生きていられるものです。
このように飢えにはかなりの適応力をもっているのですが、近年、先進国の人間だけが食べすぎという、人類が未だかつて経験したことがない状況に直面しています。動物の身体の進化は非常にゆっくりで、何万年単位でなければ大きくは変わりません。これはキリストが生まれた頃の人間と現代の人間がほとんど変わっていない事実をみても分かります。そのようなことから飽食の時代といわれる現代を生きているわれわれでも、まだ身体は飢えの時代を生き延びていくように作られているのです。
このように、時代の変化に身体の変化が適応していない現在の状況では、かなり気をつけていないと、つい食べすぎてしまう傾向にあるのです。
また、人間は他の動物と違い、特有の食行動がみられます。そこには空腹だから食べるという、動物が生きていくために必要な、自然な食欲から逸脱した食行動がみられます。それらの多くは他の行為の代償としての食行動であり、このような摂食が続くと生理的な空腹感とそれに続く摂食による自然な空腹感といった、調和のとれたサイクルが狂いやすくなっているのです。
現代の社会生活では、ストレス食いやながら食いなどの明らかに好ましくない食行動のほかに、友達や仕事のつきあいなど、社会生活を営むに当たって欠かすことのできない食習慣も含まれているので複雑です。そして、食べすぎる傾向のある人は、これらの誘いに適度に応じることができなくなっているのです。なぜなら、ストレス食いを含めた食生活が、その人の生活パターンのなかにすでに組み込まれており、食生活を変更することは、生活パターンを変更することにもなるからです。
人間は思考能力をもっているにもかかわず、新たな行動を起こすよりも、今までの生活パターンを守って、習慣づけられた行動をしているほうが楽に感じる習性があるのです。特に自宅に帰ってからの行動はほとんどが習慣づけられたものなので、自宅での食習慣を変えるというのは、自分だけの力ではかなり難しいものです。
また人間は正しい知識を得るだけでは、実際の生活は変化しにくいものです。正しい知識とともに、身体にとって心地よい、美味しかったという実体験がどうしても必要です。
いくら身体にいいからといって、辛いことや美味しくないものを無理に食べることは長続きしません。本当に人間が自然な状態なら、身体にいいものは美味しくて、気持ちがいいものなのです。
このような理由から、フォルスでは食事療法のコースを1週間に設定し、宿泊して普段の生活と環境を変えることにより、食生活を含めたライフスタイル全てを見直してもらおうと考えているのです。
断食明けに飲んだ味噌汁の有難さ、美味しさ。この感動が、食生活の大切さを自覚させるのです。また、空気のきれいな森の中の散歩で感じた爽快感が、運動の大切さを、のんびりとなにも考えずにぼーとすることの気持ち良さでリラックスの大切さを実感するのです。
【フォルスの台所から】
「秋の献立」
・きのこの壷焼スープ
・きのこのマリネ
・玄米ご飯(黒米、ひよこ豆)
・パイ風包み焼
・かぼちゃのコロッケ、グリーンソース ・ブドウのタルト
・たんぽぽコーヒー
八ヶ岳の山麓はきのこの一大産地です。近くの市場でも珍しいきのこ店先を賑わせてくれます。この辺でしか取れないもの、今の季節にしかないものを見つけると、すぐに買ってきて「これ美味しそうだよ」と主人がいうものですから、料理しないわけにはいきません。おかげで知らないうちに、いろいろなきのこの料理方を覚えることができました。季節のめぐりを味覚で感じる今日この頃です。 文枝
「フォルスのレシピより」
○カボチャのコロッケ グリーンソース
このコロッケは油で揚げていないので、しつこくなくて低カロリー、たくさん食べても安心です。こつは具にしっかり火を通しておくことです。
「材料」 4人分
カボチャ 1/4ヶ
玉葱 1/4ヶ
パン粉、くるみ、完全粉、塩、コショウ
「作り方」
1、くるみを荒くみじん切りにする
2、パン粉をフライパンでキツネ色に煎ります
3、玉葱をみじん切りにして、きつね色になるまで 炒める
4、カボチャを蒸して皮と身を分け、身だけをつぶし、塩コショウをし3と混ぜる
5、混ぜたものを俵型にし、完全粉を薄くまぶす
6、完全粉の水溶き(天ぷらの衣よりやや濃い目) を作り、5をつけ、くるみとパン粉を混ぜたも のをしっかりとつける
7、オーブン200度で10分焼き、周りの衣が
ぱりっとしたらでき上がり。
「グリーンソースの作り方」
材料 ほうれん草 120g 小麦粉 10g
豆乳 250CC 塩、コショウ少々
作り方
1、小麦粉を焦がさないように炒める
2、ほうれん草をゆでて、適当な長さに切る
3、1と豆乳をミキサーにかけてどろどろにする
4、2と豆乳をミキサーにかけてどろどろにする
5、3と4を一緒に鍋に移して火にかけ、塩胡椒で味を整える。
【情報スクランブル】
「フォルスの記事がアネモネに
掲載されています」
アネモネという月刊誌をご存じでしょうか。自然な心、食事、生活をテーマにした内容で、精神世界に興味のある方や、自然食に関心のある方は知っている方も多いのではないでしょうか。いつも始めの何ページかはきれいな自然食の料理が載っていて、私も時々購入しています。そのアネモネの10月号の23ページに「豊かに広がる愛と癒しのネットワーク」の特集で、フォルスの記事が掲載されています。内容文を一部紹介いたします。
「癒しのスペース紹介」
ゆるやかな断食で体内を掃除しながら、自分を見つめ治すひとときを。
何となく、身体がだるい、肩が凝る、食欲がない。あるいは過食ぎみだ、などなど。実は、身体は本当の病気になる前に、こんなふうなさまざまなサインを出しています。
この身体の不調は、気持ちの状態とも、いつも密接なつながりがあります。だから心身の不調を感じたときには、それを放置しないことが大切なのです。そして、日常生活のなかで自分なりのケアをする程度では、ちょっと追い付かないかな。と思うぐらい疲れがたまってしまっている方に、編集部がお勧めしたい施設の一つが、雄大な八ヶ岳山麓にある「フォルス」です。
全国に食事療法や断食を行う施設はいくつかありますが、ここの特徴はあくまで心身のリフレッシュを目的とした、ペンションのように気楽な滞在型施設だということ。
心と身体の癒しのきっかけとして、食生活改善の適切なアドバイスを求める方に、お勧めしたいのがこの「フォルス」なのです。
「摂食障害障害に詳しいクリニック」
摂食障害障害で悩んでいる方で、精神科や心療内科にかかったことがあるが、先生があまりこの問題について詳しくなかったという声もよく聞きます。ここに掲載した病院は専門の先生がいますので、近くの方は相談してみるといいでしょう。
・家族機能研究所
東京都港区麻布十番2-14-5 麻布十番Aビル9F
TEL 03-5476-6041
・外苑神経科
東京都渋谷区神宮前4-30-2 原宿ノリオビル4F
TEL 03-3401-6334
・大阪市立大学付属病院 精神科
大阪市阿倍野区旭町1-5-7
「美味しいお店紹介」
いつも東京のお店ばかりを紹介するので、関西の方からこっちのお店も教えてとの声がありましたので、関西のお店をご紹介します。
○シード・オブ・ライフ
大阪市中央区北久宝寺町4-2-2 久宝ビル1F TEL 06-251-1245 営業11:30~15:00
地下鉄御堂筋線・本町駅より徒歩5分
メニューは18種類のサラダ、和・洋・中とバラエティーにとんだメインディッシュ、全粒粉のパン、洋風スープ、玄米、日変わりのお茶など。科学調味料は一切使わず、出し汁は昆布と野菜。毎週火曜は精進デー。土曜日はスペシャルランチでフルーツサラダや手作りケーキ、ハーブティーも楽しめる。バイキング形式、食べほうだいというのが有難い。
「お勧めメニュー」
野菜料理・サラダバー食べ放題
ウィークデイ(月~金)・・・・・・950円
サタデースペシャル(土)・・・・1200円
(ハーブティー+ケーキ付)・・1500円
○カントリーライフ・レストラン
大阪市中央区北浜東2-13 幸ビルB1
TEL06-943-9597
京阪・地下鉄谷町線天満橋駅より徒歩5分
世界中に姉妹店を持つグローバルなベジタリアンレストラン。店内でも英語が飛び交うインターナショナルな雰囲気だ。メニューはサラダバーとホットデッキのコーナーに分かれており、スープや黒パン、玄米なども食べ放題。
サラダバーは数種日替わり登場するが、人気は和風サラダ。日替わりで2品登場するホットデッキではラザニアが好評。
「お勧めメニュー」
(昼)Aランチ・・・・1000円
Bランチ・・・・・800円
(夜)ディナー・・・・1360円
*すべてバイキング形式で食べ放題。
○庵
京都市右京区宇多野御池町20-13
TEL075-461-5911 営業12:00~18:30
京福北野線高尾口駅より徒歩3分
ここで出される料理はマクロビオティックの原則に則って調理された会席料理の数々、八寸から始まり、碗物、炊合せ、焼物といった具合に料亭料理さながら。もちろん材料は無農薬有機栽培の物ばかり、調味料も無添加の物を使い、調理には砂糖は一切使わない。
「お勧めメニュー」
月替わり精進会席メニュー(3名以上、予約必要)
3000円(昼のみ)
4000円
5000円
「書籍紹介」
○良い子と過食症 家族と援助者のためのQ &A
斉藤 学 監訳・解説
フォルスにもたくさんの過食症の方がきます。特に10代から20代前半の、症状の重い人を支えている家族の方の苦労は並大抵のものではありません。このようなことでお悩みの家族の方は、正しい知識を得るということが、まず一番大切なことです。しかし、何が正しいのかが解らないという方も多いようです。そのような方にお勧めしたいのが、この本です。過食症という病気を理解し、どう対処していったらいいのかの大きなヒントになるでしょう。内容文を一部紹介いたします。
「過食症をどう理解したらいいのでしょうか?」
過食症は、3つの要素からなっています。実際に食べたり浄化(下剤、嘔吐、過激な運動など)したりする行為(行動)、患者が自分自信や世間についてどう考えているか(認知)、そして患者が自分の感情にどう対処しているか(感情)の3要素です。過食症を理解するには、この3つの側面を理解しておかなくてはなりません。A子のケースを参考にして、これらの3つの要素がどんなふうにかかわり合って過食症が成り立っているか見てみましょう。
A子は長い間ずっと落ち込んでみじめな気分でいました(感情)。そして、このみじめな気持ちは自分の体重のせいで、痩せなくては解決しないと思いました(認知)。そこでダイエットを始めました(行動)ところが残念ながら思うようにダイエットができず、食事制限をさらに厳しくし、運動ももっと過激にしました(行動)。極端な食事制限と運動を続けるうちに、むちゃ食いをしてしまいました(行動)。すると彼女は、自分は「いけないことをした」「意志薄弱だ」「自制心がない」と思うのです(認知)。このように自分を否定的に考えると、さらに落ち込み、すでに低い自制心がさらに低くなってしまいます(感情)。また、むちゃ食いをしたとき気がとがめ心配になっていた(感情)ので、食べたものを吐かなくてはならない(行動)とおもうのです。こうして過食と浄化の回数が増えるにつれ、ますます自分自信がみじめになり(感情)、過食症のサイクルが続いてく。
過食症を理解するのに一番大事なことは、過食症者は不愉快な感情に対処するために、過食や浄化をしているのだと気付くことです。私たちも、いやな気分のときには、少しでも気が晴れることなら何でもしようとした経験があるでしょう。それと同じで、過食症者は、過食して浄化することが一時的にではあっても、いやな気分を忘れさせてくれることに気付いたのです。しかし残念ながら、過食して浄化することは単なる気晴しであって、いやな気分は必ず再び現われ、さらなる過食と浄化をせざるを得なくなるのです。
「スタッフからゲストの皆さんへ」
現在フォルスは、私(大沢)と家内、それに女性のスタッフ3人で切り盛りしています。昨年は私と家内の他1人のスタッフでやっていましたが、このところコンスタントにゲストの方にお越しいただくようになってから、手が足りなくなり少しづつ増えてきました。
お料理担当のサヨちゃん、お掃除・プログラム担当の松尾さん、お掃除と外仕事担当の山ちゃん、みんな各々個性的なスタッフで、フォルスの新しい魅力になっていると思います。いらしたときには、お気軽に声をかけてみてください。
フォルスにやって来てあっという間に2ヶ月が過ぎました。大自然の中の恵まれた素材と、設備の整った調理場の中で、毎日楽しく料理をしています。わたしにとって一番嬉しいのは作ったお食事が、ゲストの方に喜ばれたときです。「美味しかったよ」その一言で、仕込みの苦労もどこかへ飛んでいってしまいます。
フォルスのオリジナル料理を覚える一方で、新作料理にもチャレンジしています。この料理がゲストの方の食卓に登場するためには、「スタッフの試食」という難関を突破しなければなりません。普段わたしの失敗作も「美味しいよ」といって食べてくれるスタッフも、この時ばかりは厳しい審査員に変身です。ゲストの方に召し上がっていただく料理に失敗は許されません。でもそんな厳しい審査が私のチャレンジ精神をますますかきたててくれます。
心も身体も元気になるような、美味しいし料理を作ってたくさんのゲストの方に喜んでもらいたい。そんな思いを込めて、これからも料理に励んでゆきたいと思っています。
「この料理、どうやって作ったのかしら?」と思った方は、お気軽に調理場のドアをノックしてくださいね。 大須賀 さよ
星がキラキラ、小淵沢の夜空はとてもきれいです。まるで子供の頃ワクワクしてみたプラネタリウムの中にいるような。そんな気分になります。
これからますます空気がすんで星がきれいに見えるので、今度は星座を覚えようと思っています。
P,S もしいらない望遠鏡があれば、是非譲ってください。応相談。 松尾 ひろこ
フォルスのスタッフの仲間入りをして1ヶ月がたちました。ここはもう肌寒いことが多くなり、つい3日ほど前の夜中、寝言で「寒いよう~、寒いよう~」と叫んでいたそうです。
でも今は秋晴れが続いて、八ヶ岳の見晴らしは最高です。この景色をみていると人間の悩み事なんて、あまりにも小さすぎて、吹っ飛んでしまいそうです。 山田 佐知恵
【寄せ書きから】
フォルスでは来ていただいた方が、お帰りの際に寄せ書きを書いてもらっております。ほんの気まぐれで始めたことだったのですが、今になってみると一番の宝物になっています。こちらにいらしたときには是非開いてみて下さい。
フォルスとの出会い、たいへんうれしく感謝の気持ちでいっぱいです。66歳になる今日、食生活についていろいろ学ばせていただき、今さらながら自分の不摂生にびっくりしています。明日からはフォルスでの素晴しい思い出とともに、健康に気を配りながら、日々を大切に生きていきます。ありがとうございました。 66歳 女性
本当にのんびりして、時々こんなに暇していいのか!ってくらいで、豊かな自然のなかで過ごした一週間でした。いろいろ考えて、不安にもなったけど、何か答えを出して帰らなきゃとも思ってたけど、逆になにもなくなって楽ちんになりました。みんなと過ごせてとてもいい経験でした。ありがとうございました。元気でも元気じゃなくてもまた来たいです。 22歳 女性
木も草も花も自分の色で輝いています。私たちも自分にあった生活を見つけて、これからは歩みたいと思いました。先生、スタッフの皆様素晴しい一週間をありがとうございました。 58歳 女性
「身体と気持ちを整える時間」を自分のために用意してあげることがこんなに大切だとは思いませんでした。今は、気持ちと呼吸がゆっくりしていてとても深いです。先生、スタッフの皆さん本当にありがとうございました。生活が荒れてきたらまた来ます。 28歳 女性
始めての断食という体験。終わってみればあっという間で、日本古来の食文化の勉強であったし、なにより日本人の知恵深さをしるという、カルチャーショックを受けました。体重も減って軽くなり、肩の痛みも取れて動きやすく、味覚も戻って美味しく・・。とにかく収穫の多い一週間でした。今度はチャンスをつくって奥さんにも参加してもらい、勉強してもらいたいと考えています。 37歳 男性
「編集後記」
9月の終になると、八ヶ岳山麓はきのこの時期を迎えます。フォルスの周りでも歩いているときに、道端に目をこらしていると食べられるキノコが見つかります。この時期の散歩は、目で紅葉を楽しんで、キノコのお土産まである一石二鳥の楽しみです。週末に美味しいキノコ料理を食べに、いらしてみませんか。 大沢
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