やすらぎ通信 Vol.89 【 糖質制限食 】

【目次】

○糖質制限食
○情報スクランブル
「おすすめの書籍」
主食を抜けば糖尿病は良くなる!
dancyu 特別編集 満腹ダイエット
「ヨガ・瞑想リトリート」
○寄せ書きから
○編集後記


【 糖質制限食 】

糖質制限食とは、糖質の多い食品を減らし、
たんぱく質や糖質の少ない野菜、豆製品を多くとる食事です。

簡単にいうと、主食と甘いものを取らないで、
おかずを中心に食べる食事というと分かりやすいでしょうか。

何年か前に、低インスリンダイエットや
炭水化物を取らないダイエットが流行りましたが、
似ているけど、ちょっと違います。

どこが違うのかというと、糖質制限食の方が、
炭水化物を抑えるだけではなく、

糖質以外のものは制限がないので、
日常生活でとても実践しやすい方法です。

また、糖質が多いものをがまんするだけではなく、
必要な栄養はしっかりとるので、無理なく続けられます。

さらに、その人の状態に合わせて、
夕食だけ糖質のものを抜くプチ糖質制限食や、

昼と夜に糖質を抜く、スタンダード糖質制限食、
すべての食事で糖質を抜くスーパー糖質制限食など、

いろんなバリエーションがあり、無理なく続けられます。

京都にある高雄病院の江部先生が、この分野の権威で、
書籍紹介のコーナーで先生の本を紹介しているので、
興味のある方は、読んでみてください。

実は、「糖質制限食」は
3年位前に本を読んで、興味をもっていました。

効果はあるだとうと思っていましたが、
実際にやってみることはなく、自然消滅していました。

今回、興味をもったのは、低血糖症の治療に
効果がある、という記事を読んだのがきっかけです。

断食中にやたらとふらふらしている人は、
普段、糖質に依存している人が多く、
低血糖症の傾向があります。

特にこの頃、そのようなタイプの方が多く、
より効果的な食事法を研究していたところでした。

新しく出版された本も読んで、理論的に十分納得したので、
自分でやってみて、効果を実感したので、
みなさんにも紹介することにしました。

実際に、やってみた感想は、
以外に楽にできるなって思いました。

糖質を抑えるだけではなく、
糖質以外のたんぱく質や脂質は、かなりしっかりとります。

だから、栄養は十分足りているので、
我慢してるって感じが、あまりしないのです。

食事って、毎日のことなので、
あまり我慢してると、ストレスになりますからね。

私が始めたときは「私には絶対無理!」と言っていた、
かみさんや娘も、今は一緒になってやっています。

当初は実験なので、一週間だけの予定でしたが、
すっかり定着したので、しばらく続けてみるつもりです。

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「なぜ、糖質を制限するのか」

まずは、糖質って何か?ということから。

糖質とは糖を主成分とするすべての物質の総称です。

ご飯や小麦などの主食のものを炭水化物といいますが、
炭水化物とは糖質に食物繊維が合わさったものです。

それでは、なぜこの糖質を
制限しなければいけないのでしょうか?

糖質のものをとると、血液中の糖の量が増えます。

特に、精製度の高い食品
(甘いジュース、お菓子、ふわふわのパン、麺類、白米)は、
食後の血糖値を急激に上昇させます。

血糖値が上がると、すい臓からインスリンという
ホルモンが出て、血糖値を下げてくれます。

このインスリン、上がりすぎた血糖値を
どうやって下げているかというと、
血液中の糖を脂肪に変えて、体に蓄えるのです。

糖はすぐ使えるエネルギーとしては便利ですが、
貯蔵には向かないエネルギーです。

そこで、余分な血液中の糖分は、インスリンの働きで、
効率よく蓄えられる脂肪として置き換えられるのです。

さらに、インスリンが出ている間は、
脂肪を分解して燃焼する働きが抑えられます。

インスリンが出ているということは、
血糖値が高くなっている=糖分がたくさんあるということです。

体を動かすエネルギーとしては、
糖質はすぐにエネルギーに変えやすい物質なので、
糖質と脂肪があれば、まず糖質の方から使われます。

そのため、糖質のものを常に多くとっていると、
糖質ばかりが使われて、脂肪を分解して、
燃やすことがなくなってしまいます。

そのような状態が長期間続くと、
脂肪を燃焼する働きが、しだいに衰えてしまいます。

脂肪を燃やせない、そして溜め込む、
このサイクルが続くと、脂肪は使われることなく、

ひたすら溜まり続けることになり、
脂肪代謝の悪いからだ=燃えない体が
できあがってしまうのです。

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「糖質依存症」

糖質をとりすぎると、脂肪を蓄えやすくするということの他に、
糖質に依存してしまうという問題も出てきます。

精製度が高く、吸収されやすい糖
(甘いお菓子やジュース、ふわふわのパン等)は、
血糖値を急激に上げます。

その時、脳からドーパミンやセロトニンという、
快楽と関係のある脳内快楽ホルモンが、
一時的に大量に分泌されます。

特に、普段の生活で、ストレスが多かったり、
幸せや充実感が少なかったりすると、

一時的にでも快楽を与えてくれる、
甘いものは、麻薬と同じで、やめられなくなります。

体が糖質を欲しているだけではなく、
糖質をたくさんとることで過剰に分泌される、

快楽ホルモンが欲しいために、
甘いものをたくさん食べるようになってきます。

一度、この糖質に依存する体になってしまうと、
自分の意志だけでは、なかなかやめられなくなります。

一度、麻薬に手を出した人が、
なかなかやめられないのと同じようなことです。

このような人は、一週間くらいストレスの多い日常から離れて、
のんびりしながら糖質を抑えた食事をすると、
依存から抜け出しやすいです。

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「低血糖症」

インスリンの分泌が悪くなって、
血糖値が高くなるのが糖尿病です。

反対にインスリンが過剰に分泌されたり、効きが良すぎて、
血糖値が低くなりすぎる病気を低血糖症といいます。

疲労感や不眠、過眠、集中力の低下、頭痛、冷え、
神経過敏、不安、甘いものの過食等が主な症状ですが、

悪化するとイライラしたり、
感情がコントロール出来なくなる場合もあります。

血糖値が下がりすぎると、
体を動かすエネルギーが不足するので、
疲労感や過眠、冷えが起こります。

さらに、脳の栄養が少なくなると、集中力の低下、
頭痛、不安といった症状が出る場合もあります。

そして、限界になったときに、
糖を一気に補うために、甘いものの過食が起こります。

また、血糖値が下がりすぎと、血糖値を上げるために、
アドレナリンというホルモンが分泌されます。

アドレナリンは、戦闘用ホルモンで、
交感神経を興奮させる働きがあります。

アドレナリンが大量に分泌されると、肉体的にも精神的にも
戦うモードになってきて、落ち着きがなくなります。

イライラすると、それを一時的にでも楽にするために、
さらに甘いものを食べる→さらに、
血糖値が不安定になる→さらにイライラする。

こうして、ストレスの悪循環の
スパイラルができあがってくるのです。

低血糖症の方は、ただ血糖値が下がるのではなく、
下がる前に一時的に上がって、それを下げようとして、
インスリンが過剰に分泌される場合が多くあります。

また、たんぱく質や脂質には、
血糖値を下げない働きがあります。

これらが不足しすぎると低血糖症の方は、
血糖値が下がりすぎてしまいます。

低血糖症の方は、胃腸の弱い方も多く、
お肉や脂っこいものが苦手な方が多く、たんぱく質や
脂質の摂取が少なすぎる方も多く見受けられます。

低血糖症の改善にも、糖質を抑えて、
たんぱく質や脂質はしっかりとる、
糖質制限食は効果的な治療法です。

ただし、重い低血糖症の方は、糖質を急に制限すると、
ふらふらで動けなくなるので、自分の体調に合わせて、
プチ糖質制限食から始めてみるといいですね。

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「脂肪を燃やせる体」

年をとって太りやすくなった、
代謝が悪いので、太りやすいし、痩せにくい。

このような方は、体が本来持っている脂肪を
エネルギーにして、燃やせなくなっています。

食事でとった栄養をエネルギーとして使う場合、
ブドウ糖と脂肪酸というふたつのパターンがあります。

食事で糖質のものをたくさんとっていると、
ブドウ糖は食事から入ってきたものだけをつかいます。

しかし、食事で糖質をとらなくなると、
肝臓で糖新生という働きで、ブドウ糖を作り出します。

普段から、糖質が少ない食事をしていると、
この糖新生の働きが活発になります。

また、糖新生が活発におこなわれているときは、
脂肪酸の分解がスムーズになってくるので、
脂肪が燃えやすくなります。

糖新生の働きが活発になり、
脂肪酸の分解がスムーズになるまで、
3日~1週間かかると言われています。

実際に自分でやったときは、
初日の夜が一番、糖質のものが欲しくなりました。

翌日以降は、意外なほどに大丈夫になっていたので、
僕の場合は、1~2日で脂肪が燃える体に
切り替わったのだと思います。

やすらぎの里に滞在しているゲストの方でも、
代謝のいい方は、断食していても、
まったく空腹を感じないという方もたくさんいます。

これは、食べ物が入ってこないと、すぐに体が切り替わり、
糖新生の働きを活発化させたり、脂肪酸をどんどん分解して、
エネルギーに変えているからです。

普段、糖質のものをたくさんとっていると、
糖新生の働きが不活発になり、

脂肪酸の分解もスムーズにおこなわれないため、
切り替わるまでに、時間のかかる人がいますが、
それでも一週間あれば、体は切り替わってきます。

そして、その体は糖質のものを
たくさん食べ続けなければ、持続されます。

断食の効果は、滞在中に体重を減らしたり、
症状を一時的によくするだけではなく、
この代謝の仕組みを切り替えることにあるのです。

血糖値を安定させ、血液をさらさらにして、
末梢まで十分に血液がめぐるようになる。

さらに、糖新生の働きを活発にさせ、
脂肪の分解を活発にして、よく燃える体を作る。

そのためのリセット法が断食や、糖質制限食なんですね。

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「日常生活で実践」

普段の生活で糖質
(お菓子、お米、パン、麺、パスタ、ピザ、イモ類、果物)

のものをずっと完全にとらないというのは、
正直、なかなかできることではありません。

だから、自分にあった、
無理のないやり方を見つけるというが、とても大切です。

ちなみに、私の場合は、始めの一週間は、
完全に糖質のものを断つスーパー糖質制限食をやりました。

それまでは、朝はご飯、昼はうどん、夜はご飯、
それ以外にも食後に果物、おやつで少しだけ、甘いもの、
そしてときどきビールを飲んでいました。

それほど、悪いものは食べていませんでしたが、
糖質という意味では、それなりにとっていました。

それをやめるのですから、本当にできるのだろうか?

という思いもありました。

それが、やってみたら以外に我慢せずに続けられたのです。

ポイントは、たんぱく質や脂質をしっかりとることです。

私の場合は、まず豆腐。

今までご飯や麺を食べていたのを豆腐にしました。
 
豆腐を主食に、おかずを食べる。

うどんの変わりに豆腐が入っている、そんな感じです。

あとは、お肉をしっかり食べました。

お肉は食べないわけではありませんでしたが、
普通の男性に比べると、少な目だと思います。

それを、毎日、多いときだと1日2回、肉を食べました。

だから、カロリーで考えれば、
1.5倍くらいにはなっていたと思います。

あと、おやつ、これがやっかいで、
ちょっと食べられるおやつって、ほとんど糖質のものなんです。

チョコやクッキー、おせんべい、お饅頭、
ケーキ、プリン、アイス、ほとんどのお菓子が糖質です。

そうは言っても、ちょっと食べたいときもあります。

そんなときは、チーズやナッツ、
プレーンのヨーグルトで我慢しました。

チーズやナッツはたんぱく質や脂肪はあるけど、
糖質はほとんど含まれないので、
インスリンをそれほど出さないですみます。

お酒は、焼酎を炭酸水とレモンで割った、
手作り酎ハイか、糖質ゼロの発泡酒。

そんなことで、一週間やって、
二週目からは、朝か昼の1回だけ主食をとる、
スタンダード糖質制限食にしました。

二週目になると、昼と夜に主食をとらないというのが定着して、
すっかり昼と夜の主食は豆腐になってきました。

今も、主食は朝だけにして、
昼と夜の主食は豆腐にしています。

だから、毎日豆腐を2丁くらい食べていますね。

だけど、りんごが好きなので、りんごは解禁にしたのと、
ちょっとだけは、甘いものも食べるようにしました。

長くなってきたら、好きなものは、
少しだけなら無理せず食べるようにした方がいいと思います。

大事なのは、血糖値を急激に上げて、
インスリンをたくさん出してしまう食べ方です。

ちょっとだけ、たまに食べるだけなら、
血糖値がいつも高くなるわけではないので、大丈夫です。

やすらぎの里では、この糖質制限食に
酵素食を組み合わせて、代謝を改善する、
新しいデトックスコースを準備中です。
 
4月からスタートの予定ですので、
楽しみにしていてくださいね。


【 情報スクランブル 】

「おすすめの書籍」

●主食を抜けば糖尿病は良くなる!   
江部 康二著  東洋経済新報社

糖質制限食の第一人者で、アトピーの治療で有名な
京都の高雄病院の江部先生が書いた本です。

自身が糖尿病になって、
糖質制限食で改善をしたのをきっかけに、
糖質制限食を広めるために、いろんな活動をしています。

これまでのカロリー制限から、
糖質だけを抑える食事は、海外では常識になりつつあります。

外食やお付き合いの多い方、
お酒が好きな方には、とても実践しやすい食事法です。

血糖値が高めの方、メタボリックが気になる方には、
劇的な効果があるので、是非、読んで欲しい本です。

●dancyu 特別編集 満腹ダイエット
江部 康二監修  プレジデント社

美味しい料理やお酒を紹介する
雑誌の「dancyu」が、美味しい「糖質オフ」料理で、
楽しくやせるために作った本。

食べて、飲むのが仕事のdancyu編集長が自ら実践して、
3週間で5kg、ウエスト3cm減した、体験談もあります。

料理の雑誌本だけあって、まず写真が大きくてきれい。

これなら、美味しそうだから、
食べてみたいって思わせる料理ばかりですね。

美味しいもの好き、お料理好きの人に、
おすすめの糖質制限食の本です。

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「ヨガ・瞑想リトリート」

●6月25日(土)1泊2日

毎回キャンセル待ちになっている、ヨガと瞑想のリトリート。

今回のテーマは、以前からやってみたいと思っていた
デトックス(心身の浄化)です。

デトックス食で体を内側からきれいにし、
ヨガで体をゆるめ、瞑想で心を静める、1泊2日のリトリート。

むくみや冷え、生理不順、からだが重く感じる、
この頃、なんかすっきりしない・・・。

それは、心と身体に老廃物が溜まっているからです。

肝臓や腎臓、腸を刺激するポーズで解毒、排泄力を高め、
瞑想で心を鎮め、伊豆高原の澄んだ空気を

胸いっぱいに吸い込めば、
都会の生活でたまった毒も浄化されます。

この時期は、伊豆高原の緑が深まる頃です。

深い緑に覆われた伊豆高原で、
心と身体をすっきり、デトックスしてみませんか?


【 寄せ書きから 】

やすらぎの里では来ていただいた方が、
お帰りの際に、寄せ書きを書いてもらっています。

滞在中の感想から感謝の声まで、
すべてスタッフみんなの活力になっています。

その中の一部をご紹介させていただきます。

  
今回は久々の一週間コースで、自然食。

食べて、運動して、
最近忘れかけていたことを思い出せました。

自分自身としっかり向き合えて、
心も体も来る前より、元気になれました。

先生、スタッフのみなさん、
一週間ともに過ごしたみなさん、すべてにありがとう!

                      30代 女性

———————————————

こんなに穏やかに過ごしたのは、久しぶりでした。

紹介されていた通りの明るく楽しいお宿でした。

今度は食事つきでもいいな~。

先生、スタッフのみなさん、
一週間一緒に過ごしたみなさん、ありがとうございました。

                        20代 女性

———————————————

初めての断食でしたが、
仲間にも恵まれ、スタッフの方々の笑顔と、
美味しい回復食のおかげで乗り切ることができました。

伊豆高原でこんなにリラックス&リセットできるなんて!

帰ったらみんなに教えてあげます。

いつまでも、このままかわらず、暖かい場所でいてくださいね。

本当にありがとうございました。         40代 女性

———————————————
                            
初めての参加でしたが、
心も体もこんなにもすっきりするとは思っていませんでした。

充実感でいっぱいです。

毎日のプログラムや治療、美味しいお料理に大満足です。

先生はじめ、スタッフのみなさんには、
とても親切にしていただいて、心からお礼をいいたいです。

本当にありがとうございました。

また来ます!                  40代 女性

———————————————

癒すとは何か、人を助けるとは、
どんなことか考えさせられました。

西洋医学ではフォローできないところを補える、
東洋医学はすごいと思うし、
もっと医療に東洋医学を取り入れていきたいと思います。

すっごく、楽しく過ごせました。ありがとうございました。

                        30代 女性


「編集後記」

今回、特集した糖質制限食は、
糖尿病の方の食事法として、
効果があるのは知っていましたが、

低血糖症や低体温のような、代謝の悪い人の改善にも
効果がありそうということを知って、さっそく実践しています。

酵素食と組み合わせて、やすらぎの里の食事が
さらにバージョンアップしていきたいです。       大沢

“やすらぎ通信 Vol.89 【 糖質制限食 】” へのコメントはありません。

  1. 水野 久美子

    糖質制限
    お久しぶりです。いつもお世話になっています水野です。私もこのコラムに刺激されて、制限食をしています。変なおなかの空き方がなくていいですね。甘いものを食べたときは、空腹時に待てなくなり、またすぐに食べれる甘いものを食べるという感じがありましたが、今は空腹でも落ち着いて料理して、食べることができます。8月にお邪魔するときはこの制限食を食べてみたい気がします。

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