断食をすると胃腸などの内臓がすっきりするというのは、巷間よく言われていることですし、実感できることではあるのですが、現場にいて気づくことは、ゲストの方々が口々に「頭がすっきりした」と言うことです。
その機序は明らかではありませんが、空腹という身体感覚に、「今ここ」のマインドフルネスであれたということもあるでしょうか。
環境を変えて非日常の取り組みをすることにも、リフレッシュ効果は大きいと思います。
また、食べるという行為を改めて考えてみますと、取り込む食べ物というのは、体にとっては自己の外側にある異物であり、一種の刺激であって、多種多量に食べ過ぎれば、それを処理する脳も内臓諸器官と同様に当然疲弊してくるわけです。
食べるという情報処理に割かれる精力も見逃せないということです。
いずれにしても、断食をすることによって、実感として頭がすっきりとすれば、帰ってからの日常もまた新鮮な気持ちで取り組めるのではないでしょうか。
養生館では、その「頭のすっきり感」を、より推し進めていきたいと思っています。
現代人の疲れは多岐にわたりますが、特に都市生活者、働き盛りの人であって、健康志向も強く、忙しいながらも、それなりの知識を身につけ実践もされている方。
頑張っている、そういう人に何が必要かと考えたとき、一度考え過ぎることを止めてみることに尽きるでしょう。
思考が止んで、初めて身体の本音が聴こえてくると思うのです。
自分は何がしたいのか、何を我慢しているのか、どのように生きればいいのか。
養生館、3月28日オープンに向けて、準備を進めています。
もちろんプログラムも大切でしょうが、それ以外の時間、プログラムの合間といいますか、行間といいますか、そんな時間を大切にしたいと思っています。
各部屋にテレビを備え付けていないのもそのためです。
※娯楽室と貸し出し用はあります(^^)
我々に本来備わる繊細な感覚が、外部からの大量の情報に、押し流されてしまっているところもあると思うのです。
1週間、喧騒を離れ、静寂の中で過ごしてみることで、普段気づかなかったことに気づくことがあるかもしれません。
この際ですから、非日常を徹底してみることも楽しいのではないでしょうか。
僕は養生館に常駐していますが、そこに「偉い先生」としているのではなく、ごく身近な存在として、ゲストの皆様と関わっていただければうれしいなと思っています。
テレビがなく、退屈で手持無沙汰になりましたら気軽に声をかけてください。
一見、気難しそうに見えるが、話してみるとおもしろいとよく言われます。
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