高齢社会の日本。
御多分に漏れず、「やすらぎの里」もゲストの層が徐々に高齢化してきた。
先日好評を博したドラマ「やすらぎの郷」の影響かしらんと冗談を言ったりもするのだが、創業20年を過ぎてスタッフもリピーターも同じだけ齢を重ねたことを考えれば至極当然のことともいえる。
林立する断食施設の中でも棲み分けが行われ、若年層のダイエットに特化するところがある中で、「やすらぎの里」はそのネーミングの渋さも手伝って主にミドル層を受け入れてきた。
そうした背景の中で、今までとはまた違ったニーズが生まれつつある。
それは、「病や老い、死を受け入れること」
美や健康の追求、加齢に抗うといった、現代的な健康業界の定番とは一線を画し、むしろ宗教の領域に踏み込むようなテーマである。
職域を侵すことになりはしないかと懸念もありながら、同時に使命感も共有しつつある。
それは長年のリピーターに支えられてきた「やすらぎの里」の使命であり、矜持ではないかとも思っている。
「やすらぎの里」ならではの、「やすらぎの里」だからこそできることがあるのではないか。
ひとりひとりの生命に徹底的に向き合うということは、死を避けては通れない。
日本ホリスティック医学協会による「ホリスティック医学の定義」を見てみる。
1、ホリスティック(全的)な健康観に立脚する
人間を「体・心・気・霊性」等の有機的統合体ととらえ、社会・自然・宇宙との調和にもとづく包括的、全体的な健康観に立脚する。
2、自然治癒力を癒しの原点におく
生命が本来、自らのものとしてもっている「自然治癒力」を癒しの原点におき、この自然治癒力を高め、増強することを治療の基本とする。
3、患者が自ら癒し、治療者は援助する
病気を癒す中心は患者であり、治療者はあくまでも援助者である。治療よりも 養生、他者療法よりも自己療法が基本であり、ライフスタイルを改善して患者自身が「自ら癒す」姿勢が治療の基本となる。
4、様々な治療法を選択・統合し、最も適切な治療を行う
西洋医学の利点を生かしながら中国医学やインド医学など各国の伝統医学、心理療法、自然療法、栄養療法、手技療法、運動療法、などの各種代替療法を総合的、体系的に選択・統合し、最も適切な治療を行う。
5、病の深い意味に気づき自己実現をめざす
病気や障害、老い、死といったものを単に否定的にとらえるのでなく、むしろその深い意味に気づき、生と死のプロセスの中で、より深い充足感のある自己実現をたえずめざしていく。
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最後の5を読めば、医療の本質にして核心部分であることがわかる。
「やすらぎの里」がもう一段深化する現場に立ち会えそうだ。
みなさんとともに
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