「News Letter  Vol, 4」

●目次
○特集「断食の効用について」
○「トレーニングルームが完成まじかです」
○フォルスの台所から「春の献立、フォルスのレシピより・豆腐マヨネーズ」
○情報スクランブル「嗜癖行動と家族 斉藤 学著、太田屋ライスサービス」


  
「断食の効用について」
 断食というとほとんどの方が宗教的なものや、厳しい修行のようなものを想像しがちですが、実際に体験された方は分かると思いますが、思ったより空腹感やつらさは少ないものです。
 野生に棲む動物は好むと好まざるに関わらず、獲物が安定供給されるわけではないので、必然的に断食を余儀なくされるのです。そのような歴史が長い間続いている内に、動物の身体は飢えに対して非常に強い適応力を身につけたのです。
 甘いものや脂っこいものが、美味しく感じるものそれらのものが高カロリーで、体の中に蓄積されやすく、次の獲物にありつけなくとも蓄えておいた脂肪で生きていけるからなのです。しかしこのような飢餓の状態というのは、今の日本ではまず考えられないので、結局余分な栄養が過剰に蓄積して、成人病などの病気の原因にすらなっているのです。
 このようなときに大きなヒントを与えてくれるのが、いまだに自然な生活を続けている野生動物の生き方です。あらゆる動物は体の調子の悪いとき、食べることを一時的に休んで、回復を待ちます。これは家で犬などの動物を飼っている方なら良く分かると思います。普段あれほどほしがっている食べ物も体調の悪いときばかりは、ほとんど口にしません。 このようなことは動物ばかりではなく、我々も風邪など引いたときには、少し食欲がなくなるものです。しかし、小さい頃からの栄養信仰のたまもので、病気の時ほど栄養をつけなければ良くならないと信じて、いかにして栄養のあるものを補給しようかと考えています。こんなときに食べ物を入れても栄養になるどころか、むしろ内臓の負担になり病気の回復を遅らせることにすらなりかねません。こんな時は少し食べるのをやめてゆっくり休むに限ります。食欲がなくなるということは、今食べ物を消化したりする余裕がありません、少し待って下さいというサインなのです。これは風邪だけに限らず、他の病気や食べ過ぎの時にもいえることです。食欲がないときは身体のサインを信じて食べない、そして食欲が出てきてご飯が食べたくなったら少しづつたべればいいのです。
 風邪は万病の元といいますが、まさにその通りで、風邪のようなサインが出たら早めに対処して、決して薬などで押し込めることなく、自然な方法で身体の声を聞いてあげれば、大きな病気をしないでもすみます。


「トレーニングルームが完成間近です」
 以前から構想のあったトレーニングルームがもう少しで完成しそうです。始めの計画では、冬の暇な時期に自分たちで作ろうと考えていたのですが、冬になっても暇になるどころか、むしろ秋口よりますます忙しくなる状況で、結局大工さんに頼むことになりました。しかし、さすがにプロの仕事はきれいで早い。外壁、内壁ともに杉の木の板張りで、とてもいい木の香がして、香りだけでも癒されるようなそんな場所になりそうです。
 冬の間、朝の体操は人数の少ないときは、食堂でおこなっていたのですが、10人以上になるととても食堂には入りきれずに、外でやっていたのですが、風の強い日などは寒くて大変でした。そんなときでもトレーニングルームさえあればもう大丈夫。また、ヨーガや気功、レクチャー等もここで出来そうです。場合によっては、講師の先生を呼んで治療合宿のようなものも可能かな、などといろんな可能性を考えているところです。
 治療室も少し狭いような感じでしたので、これを機会にトレーニングルームの一角に移そうかと考えています。木の香りのする天井の高い治療室もいいと思います。
 トレーニングルームには、日当たりのいいテラスがつきますので、夏から秋にかけては、のんびりテラスでひなたぼっこもできると思います。テラスの前は季節の草花が咲き乱れる庭にして、そこにテーブルと椅子を置き、寒くない季節は朝食はここで食べるのも気持ちいいと思います。また、午後はこの庭で読みかけの本でも開きながら、ゆっくりお茶を飲む。ほのかにバラの香りのする庭で優雅にくつろぐ午後の一時、贅沢な時間の使い方ではないでしょうか。
 最近ガーデニングなるものが都会の方でもはやっているらしく、緑が少なくなっている都会の人の方が、自然の大切さを実感している分、緑とふれあおうという気持ちが強いのかもしれません。人間というのはどうあっても無制限に自然からはかけ離れては生きていけないものなのでしょう。
 新しくできるトレーニングルームに、ご期待下さい。  


【フォルスの台所から】
「春の献立」
 ・春のサラダ
 ・えんどう豆のポタージュ
 ・野菜のクレープ包み
 ・玄米ご飯(黒米・ひよこ豆)
 ・野菜のハンバーグ
 ・イチゴのタルト
 
 このところ暖かい日が続いたり、雨が降ったりと春の訪れを感じさせてくれます。こんな陽気になると冬の間は美味しく感じた根菜類や漬け物も、なんだか飽きて、少しほろ苦い山菜や、新鮮な青物が欲しくなってきます。八ヶ岳の山麓は山菜の宝庫、これから家の周りでもたくさん山菜が採れる季節になります。ここで採れた山菜を使ってここでしか食べられない料理が出来ればと思っております。 文枝


  
「フォルスのレシピより」
○豆腐のマヨネーズ
 マヨネーズはそのほとんどが油で出来ているので、どうしても高カロリーになりがちです。しかしサラダや和え物などに手軽に利用できるので、油、卵ををあまり使わず、ローカロリーであっさりした後味のマヨネーズを豆腐で作ってみました。お酢を使ってあるので、以外に日持ちもします。
作り置きして冷蔵庫の常備品にしておきたい一品です。手軽につくれますので、是非おためし下さい。「材料」
   豆腐   1/2丁
紅花油  大2
   米酢   大2
   ゴマ油  大1
   みりん  大1
   塩    小2/1
   コショウ 少々
「作り方」
  1、豆腐をさっとゆでてさましておく
  2、他の材料とともにミキサーで混ぜる
  たったこれだけで出来る簡単なものです。


【情報スクランブル】
「推薦図書」
 ○嗜癖行動と家族  斉藤 学著 有斐閣選書
 近頃だいぶ摂食障害に関する書籍が出回ってきましたが、ほとんどの本が本人のことに関することしか書いてありません。この病気は本人だけでなく、家族関係全体の歪みとしてとらえないと、なかなか良い解決法が見つけられません。そのためにも、本人が自分で努力することだけではなく、家族の対応というのも大切なポイントになってきます。
 摂食障害の患者さんを抱える家族の方とお逢いしてお話をすると、ずるずると本人のペースに巻き込まれて、適切な対応が出来ていない場合が多いようです。この本は、この病気と家族との関連性、家族の対応法が書かれているので、問題を抱えてお困りの家族の方には、一つの指針になるものと思います。
 この本を書かれている斉藤先生は、日本の摂食障害のオーソリティーのような方で、他にもたくさんの摂食障害に関する本を出されています。また、ご存じの方も多いと思いますが、摂食障害の自助グループの「ナバ」の設立に関わった方でもありますこのグループは日本の中では一番積極的に活動を続けているところなので、長い間悩んでいる方は一度相談されてみるといいと思います。と言いつつも、なかなか電話がつながらないとか、人数が多すぎて受け入れられない状況だという話も聞いているのですが。


「いいお店見つけた」
○太田屋 ライスサービス
 ここのお米屋さんのご主人は、自らが玄米自然食を実践しており、その道のこだわりの方です。美味しくて安全なお米を求めて、日本中を駆けめぐり、信頼できる農家さんからお米を取っているのです。
 また、ご自分でも食べ歩きや旅行が好きで、自然食のレストランや自然食を提供する施設は、日本中ほとんど行っているのではないかと思うほどの情報通です。
 身近で玄米を売っているお店がない、安心できる美味しいお米が欲しい方は、一度問い合わせしてみると良いでしょう。
  太田屋 ライスサービス     電話 048ー822ー7052
  〒336 埼玉県浦和市岸町4-3-16


【寄せ書きから】
 フォルスでは来ていただいた方が、お帰りの際に寄せ書きを書いてもらっております。ほんの気まぐれで始めたことだったのですが、今になってみると一番の宝物になっています。
 いくら忙しくても、この寄せ書きを読む度にやる気がわいてきます。こちらにいらしたときには是非開いてみて下さい。
 
 初めての断食ということで結構きつい3日間でした。断食中食べ物を与えられない私は「こんなにも不機嫌になるものか」なんて思っていたりしました。でもこんな不機嫌な私につきあってくれた、先生、仲間たちどうも有り難う。おかげで4日目以降はそれほどしんどくなくスキーテニスなども楽しめました
 ここでついた良い食習慣をこれから生かしていきたいと思っています。みんなでいろいろな話もしましたよね。まだ悩みを抱えている方々へ、大丈夫、絶対、悩みや不安やストレスの渦中からは抜け出せますよ。摂食障害で10年近く悩んできた私が抜け出せつつあるんですから。その答えは人それぞれ違うと思いますが。 先生、皆さんにはこれからも明るく楽しく頑張ってもらいたいです。1週間どうも有り難う。また遊びに来たいです。                  23才 女性

 今回は体験と言うことで1泊2日の短い期間でしたが、心身ともにリラックスできて元気になりました。明日からまた会社・・・と思うと少し憂鬱になりますが、考えていても仕方がない。とにかくやるだけです。 今度は長期でこれたらいいなと思っていますので、そのときはまたお世話になります。                                    26才 女性

 どんなことも仲間がいたから達成できた。自分が一番恥ずかしくて、隠していたことをみんなも同じ気持ちで思っていた、すごくほっとした。
 ここへ来て2回目、前は夢を見つけることが出来、そして今度は夢を現実のものとする入り口まで来た。これからどんな波乱な人生が待っていようとも、私にはここで過ごした思い出がどれだけ支えとなるだろう。みんな本当に有り難う。
 そして先生、私に夢を与えてくれて有り難うございました。奥様、私は奥さんみたいな優しい心の人間になれるよう努力していきます。私の一番興味のあることをやらせて下さって本当に有り難うございました。 みんなまた絶対にあって、いろんな話をしようね。        23才 女性

 
 今までいつも頭の中が混乱状態で訳も分からず不安で、心配で、自信がなく、自己嫌悪に襲われる毎日でした。その解消法方は「食べ物」だけで、自分がこの世界に存在する意味とか、死の意味とか、考えてはいたたまれぬ気持ちに陥り、「食べること」でその気持ちをうやむやにしてきました。だけど今、一つの希望。私がこれまで無意識に探し求めていたものが分かるかもしれないという希望を持ち得ました。先生事後報告いたします。
 奥さん心と体に優しく、美味しい食事を有り難うございました。私も玄米、豆、野菜などをもっと自分の食事に取り入れていきます。粗食ってすばらしい。
 フォルスでほんの少しでも、共に時を過ごした皆さん、自分の食に対する執着をこんなにむき出しにして、心ゆくまで臆さず話せた事なんて今までなかった。自然な自分がだんだん見えてきたような感じがします。                               21才 女性 

 1週間どうも有り難うございました。今までにない充実した日々が送ることが出来、本当に来て良かったです。ここに来るまでは不安だらけでしたが、同じような思いで、悩んでいるみんなと心の底から思いっきり話せたこと、共感できたこととてもうれしく思います。奥様の料理は格別でした。また、お世話になると思いますが、そのときは是非リフレッシュで来たいと思います。23才 女性    
「編集後記」
 標高980mの八ヶ岳山麓にもようやく春がやってきました。梅の花が咲き、木々の枝先が色づき始め、もう春なんだと感じさせられます。
 冬が長かった分だけ、暖かい春の有り難さが本当に身にしみて分かります。少しでも小春日和の日が続くともうじっとしていられなくなり、散歩に出かけたくなるのは、子どもだけではないようです。
 ふきのとうやタラの芽、山菜もそろそろ出始める頃です。今年は山菜取りにもチャレンジして見るつもりです。新鮮な山菜が食卓を飾ることは出来るでしょうか。 
 これから八ヶ岳山麓は命の息吹を感じさせる季節になります。自然から生命力をもらいに来て見ませんか。  大沢

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