やすらぎの里  Vol, 65 【糖尿病】

【目次】

「糖尿病」

「やすらぎの台所から」
○豆腐とキャベツの和風キッシュ

「情報スクランブル」
○おすすめの本・ピースフード ― 安曇野の大地からのレシピ
○おすすめのCD・Love Jazz
○新しいコースができました・体質改善コース

「寄せ書きから」


【 糖尿病 】

現在、日本ですでに糖尿病になっている人と、
糖尿病が疑われる人を合わせると、
1300万人になるといわれています。

なんと、東京都の人口と同じくらいの人が、
糖尿病って、すごくないですか?

だけど私は、健康診断で血糖値は問題ないので、
大丈夫って思っている方。

最近、健康診断では異常が出ない、
隠れ糖尿病というのが問題になっています。

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「隠れ糖尿病とは?」

隠れ糖尿病の特徴は、空腹時の血糖値は正常なのに、
食後の血糖値は糖尿病並みの数値まで上がります。

空腹時の血糖値が正常な人でも、3割くらいの人は、
この食後の血糖値が高いという研究まであります。

通常の健康診断では空腹時の血糖値を調べるため、
隠れ糖尿病を見抜くことができないのです。

食後の血糖値を調べるには、ブドウ糖を含んだ炭酸水を飲み、
1~2時間後の血糖値を調べます。

この値が200mg/dlを超えていれば隠れ糖尿病といい、
心筋梗塞や脳梗塞のリスクが、正常の人と比べおよそ
3倍になります。

140mg/dlを超えていれば、隠れ糖尿病予備軍(耐糖能異常)といい、
心筋梗塞や脳梗塞のリスクはおよそ2倍になるといわれています。

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「インスリンの働き」

血糖値が正常の範囲に保たれているのは、
すい臓から分泌されるインスリンというホルモンのおかげです。

インスリンは、血液中の糖を細胞まで届けたり、
余分な糖を脂肪に変える役割を持っています。

隠れ糖尿病の方は、このインスリンの出るのが遅い、
といわれています。

通常は、血糖値が上がるとすぐにインスリンが出て、
血糖値を安定させるのですが、インスリンが出るのが遅れると、
血糖値が上がりすぎてしまいます。

上がりすぎた血糖値を下げるために、
大量のインスリンを使うので、徐々にすい臓に負担がかかってきます。

また、肥満の人は脂肪細胞からインスリンの働きを阻害する物質が出て、
インスリンの働きが低下します。

インスリンが出ているにもかかわらず、出るスピードが遅かったり、
肥満があるとインスリンが効率よく使われないので、
すい臓はフル回転で大量のインスリンを分泌することになります。

そのような状態が長い間続くと、徐々にすい臓の働きが弱ってきて、
インスリンを出せなくなり、本当の糖尿病になってしまうのです。

特に、家族に糖尿病の人がいる方は、隠れ糖尿病になる確率が高いので、
病院で食後の血糖値を計ってもらったり、
肥満にならないように注意しましょう。

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「糖は血管を傷つける」

血液中に糖が増えると、血管がもろくなってきます。

血液の大事な成分である赤血球は大きな細胞なので、
細かい血管の中を通るときは、折れ曲がって通り抜けます。

ところが、血液中の糖が多くなると、
糖と赤血球が結合して、硬くなってしまいます。

硬くなった赤血球は細かい血管を通るときに、
あちこちに傷を作ってしまうのです。

この血管の傷を修復するために、
コレステロールが血管の壁にかさぶたを作ります。

そのかさぶたに脂肪がくっつくと、
血管の内側が細くなって、つまりやすくなります。

このようにして、さまざまな合併症が起こってきます。

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「糖尿病の合併症」

糖尿病になったからといって、
すぐにどこかが痛くなるわけでもありません。

それだけに、知らないうちに、病気が進んで、
そのうち重篤な合併症を引き起こす。
それが、糖尿病の本当の怖さです。

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「糖尿病性網膜症」

糖尿病性網膜症は、目の血管がもろくなり、
破れて出血することで発症します。

出血も少量ならば、眼底で吸収されて治りますが、
大出血やレンズの部分で出血すると、
最悪の場合は、失明する場合があります。

現在、失明の一番の原因が、
糖尿病による眼底出血です。

ちなみに、毎年3000人以上の方が、
この病気で失明しています。

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「糖尿病性腎症」

糖尿病の合併症で怖いのが、
糖尿病からくる腎臓障害です。

血糖が高くなると、糖蛋白という物質が糸球体にたまって、
糸球体が硬くなって、働きが低下してきます。

そうなると、ひどい倦怠感や疲労感、
全身の浮腫や尿量の減少、体重増加などの症状が現れます。

さらに、その状態が進むと、まったく機能しなくなり、
体の老廃物を出せなくなる、尿毒症という状態になります。

こうなると、すぐに人工透析をおこなわないと、
命にかかわってきます。

現在、人工透析する原因疾患の第一位が、糖尿病性腎症です。
人工透析が始まってしまうと、普段の生活にかなりの制限が出てきます。

ちなみに、糖尿病になって10年経つと、
糖尿病性腎症になる確率が高くなるといわれています。

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「糖尿病性神経障害」

糖尿病は眼にくるとことはよく知られていますが、
神経がやられることはあまり知られていません。

神経障害で怖いのは、
壊疽といわれる状態になることです。

神経障害によって足の知覚が麻痺していると、
傷の痛みはほとんどなく、傷の悪化に気づかないことがあります。

そして、そのまま傷は悪化していき、壊疽という、
組織が腐った状態になります。

この状態になると、治療は非常に難しく、
ひどい時には足の切断をしなければいけません。

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「糖尿病にならない食事」

糖尿病にならないために、食事で一番気をつけなければいけないのが、
血糖値を上げる糖質の摂り過ぎです。

糖質、つまり甘いものやでんぷん質、
特に精製された糖質は吸収が早いので、
食後の血糖値を上げてしまいます。

例えば、ジュースや甘いお菓子、ふわふわのパンなどは、
吸収も早いし、満腹感も感じにくいので、
つい摂り過ぎてしまいがちに。

糖質はできるだけ控えめにして、
できるだけ玄米など未精白の穀類から
摂るようにできたら理想的です。

逆に、食物繊維の多いお野菜は、
できるだけたくさん摂るようにしましょう。

野菜の繊維は、脂肪の過剰な吸収を抑えるので、
肥満の予防にもなります。

あと、気をつけたいのが夜遅い食事です。

食事が遅くなって、食べてすぐ寝る生活をしていると、
食べたものが消費されず、
ほとんどが脂肪として蓄積されてしまいます。

どうしても夕食が遅くなってしまうという方は、
夕食を2回に分けるという方法もあります。

残業で帰りが9時過ぎになるような場合は、
夕方6時頃におにぎりを1個食べます。

そして、自宅に帰ったら、ご飯は食べずに、
おかずと汁のものを摂るというように夕食を2回にわけるのです。

そうすると、夕方お腹が空いて、チョコレートなどのお菓子を食べたり、
帰ってから夕食を食べ過ぎたりするのを防ぐことができます。

あと、糖尿病が気になるからといって、
やたらとカロリーばかり気にして、
食事全体の量を減らし過ぎないように注意しましょう。

がまんは長続きしないので、
無理なく長く続けられる方法でなければいけません。

毎日じゃなければ、お肉も大丈夫ですし、
多少食べ過ぎても大丈夫ですから、
精製された糖質のものの食べ過ぎだけは気をつけましょう。

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「運動の効果」

体の中で一番糖を消費するのは筋肉です。

運動を定期的にしている人は、
血液中の糖を運動のエネルギーとして消費しているので、
血糖値は上がりません。

しかし、いくら食事に気を使っていても、
まったくからだを動かさない人は、糖があまってきます。

また、運動を続けることで筋肉量が増えて、
さらに糖を消費するようになるので、
多少食べ過ぎても血糖値が上がりにくくなります。

また、体重のコントロールという面からも運動は重要です。
せっかく努力して減量しても、運動していない人は、
ちょっと食べ過ぎるとすぐに戻ってしまいます。

しかし、運動している人は、多少食べ過ぎても、
すぐに体重が増えることはありません。

運動でやせようと思ってもなかなか、体重は減りませんが、
一度減らした体重を維持するために、運動はとても大切なことです。

一番おすすめしたい運動は、お散歩です。

1日30分、通勤にからめて歩くようにできれば、
わざわざ時間をとる必要がないので続きやすいと思います。

その時間もないという人は、できるだけ階段を使うようにしましょう。

階段を上るような動きは、太ももの筋肉を使うので、
短い時間で効果的な運動になります。

そして、週末に1時間、歩く時間を作るようにできれば、
なんとか最低限の運動量はクリアーできるでしょう。

まず、できるところからはじめてみましょう。

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「生活習慣の改善に断食を」

このままの生活を続けていると、本当に糖尿病になってしまう、
そう感じている方も多いと思います。

しかし、そう思っても、普段の生活を変えていくのは、
なかなか難しいものです。

そんな方には、断食が劇的な効果をもたらします。

現代人は、普段の生活では脂肪を使うことがあまりないので、
脂肪が不良債権のようになっています。

しかし、断食中は栄養が断たれるので、
体の脂肪をエネルギーとして使われます。

追い詰められた、ぎりぎりのところで、
脂肪燃焼モードに体が切り替わるのです。

切り替わった体は、脂肪がよく燃えるようになるので、
甘いものが欲しくなくなったり、お酒も少しですむようになります。

また、味覚がリセットされるので、あっさりした和食のような、
淡白な食事が美味しく感じられるようになります。

狂った味覚のままで、食生活を変えようと思っていても、
上手くいかないのは当然のことです。

さらに、断食中は消化、吸収をする必要がないので、
内臓が休まります。

特に、隠れ糖尿病の方は、普段大量に分泌しているインスリンが
少ない量ですむので、すい臓も休まり、その間に機能が回復してきます。

わかっちゃいるけど、変えられないという方、
それは、頭でわかっているだけで、
体でわかっているわけではないのです。

断食は、まさに体でわかわらせる最高の方法です。  

一度、糖尿病になってしまうと、完全に治るというのは難しくなり、
普段の生活に気をつけて、上手に付き合っていくということになります。

やはり、美味しいものは食べたいですし、
お酒だって美味しく飲みたいじゃないですか。

だからこそ、病気になる前にできる範囲で気をつけて、
いつまでも美味しいものを食べられるようにしたいですね。


 【 やすらぎの台所から 】

「豆腐とキャベツの和風キッシュ」

キッシュは普通、バターたっぷりのパイ生地に、
チーズや生クリームがたっぷり入った具を詰めて、
オーブンで焼いて作ります。

美味しいんですけども、高カロリーで、
体重が気になる方や高脂血症の方にはあまりおすすめできません。

今日、紹介するキッシュは、バターも生クリームも
まったく使わないのでたくさん食べても大丈夫です。

ちょっと手間はかかりますが、
お料理好きの方は、トライしてみて下さい。

「材料」 20cmのパイ型1枚分
豆腐2丁、卵2個、キャベツ2枚、椎茸2個、
小麦粉大さじ3、薄口醤油、塩、コショウ

「作り方」
1、豆腐の水を切り、キャベツは千切り、しいたけは
薄切りにする。
2、しいたけと豆腐とキャベツを水分がなくなるまで炒め、
塩、コショウで味を調える。
3、2をバットに広げて冷ます。
4、冷めた具に小麦粉と卵を入れて、よく混ぜる。
5、パイ型にクッキングシートを敷き4を入れ、
上に人参のすり下ろしと松の実をトッピングする。
6、オーブンに入れて、180度で10分、
200度で10分焼く。
7、焼きあがったら、型から出して、人数分に切り分け
皿に盛り付ける。

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「芋の子汁」
私の実家がある東北では、秋になると河原で芋煮会をやるのが、恒例の行事になっています。
具を食べる味噌汁、これはもう立派なおかずですね。

「材料」4人分
里芋4個、こんにゃく1/2枚、人参1/4本、大根10cm、
長ネギ1/2本、きのこ1/2パック(しいたけ、しめじなど)、
豚肉100g、だし汁600cc

「作り方」
1、里芋の皮をむき、大き目の乱切りにしてぬめりをとる。
2、こんにゃくをゆでてあくをぬき、短冊に切る。
3、大根と人参はいちょう切りにする。
4、きのこは食べやすい大きさに、ねぎは斜めに切る。
5、鍋で豚肉を炒め、里芋とねぎ以外の材料を入れて炒め、だし汁を入れ、里芋を入れて柔らかくなるまで煮る。
6、味噌と濃口しょうゆで味を調え、最後にねぎを入れて
さっと煮たらできあがり。
7、器に盛ったら、七味か柚子をかけていただきます。


【 情報スクランブル 】 

「おすすめの本」

○ピースフード ― 安曇野の大地からのレシピ
シャロムヒュッテ 編集  家の光協会
自然食に興味のある方なら、シャロムの名前は、
聞いたことがある、という方も多いと思います。
先日もTBSの“夢の扉”という番組に出ていましたね。

私と自然食との出会いは、シャロムで働いたことでした。
安曇野の大地の恵みを丸ごといただくレシピは、
身体だけでなく、こころも元気にしてくれそうです。

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「おすすめのCD」

○Love Jazz 東芝EMI
このアルバムは、ジャズのバラードを集めたベスト盤です。
ジャズを聴いてみたいけど、なにを聴いたらいいのかわからない、
という人も多いんじゃないでしょうか。

そんなジャズ初心の方におすすめの一枚です。

私は秋になるとなぜかジャズが聴きたくなります。
秋の夜長に、静かなジャズを聴いていると、
こころが静まり、からだの力が抜けていくのがわかります。

きっと、春から夏にかけて高ぶっていた心を静めて、
休ませようとする自然のリズムなのかもしれません。

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「新しいコースができました」

○体質改善コース
断食には興味があるけど、体力がないので、
やり遂げられる自信がない。

もともと体重が少ないので、
これ以上体重を減らさないで、体質改善したい。
そんな声に答えて、できたのが、体質改善コースです。

このコースは、入所日は朝から普段どおり食事をしてきて、
面談の際にその方の体質に合わせて、
むりなくできる、断食の日数を決めていきます。

面談の際に相談しながら、自分にあった方法で
出来るので安心です。

体力のない方、痩せ気味の方、持病をお持ちの方、
65歳以上で断食をしたい方におすすめします。


【 寄せ書きから 】 
      
やすらぎの里では来ていただいた方が、
お帰りの際に、寄せ書きを書いてもらっています。

滞在中の感想から感謝の声まで、
すべてスタッフみんなの活力になっています。
その中の一部をご紹介させていただきます。

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体の中がすっきり、脳がすっきり、とても元気になりました。
素材を生かした料理の美味しさに感動し、
スタッフのみなさんの暖かい人柄に感動し、
ご一緒したみなさんとの交流も楽しく、
すべてに感謝しています。
本当にありがとうございました。         

50代 女性

この一週間、とても充実した毎日でした。
こんなに歩いたなんて久々です。
きれいな空気、海、露天風呂、
本当にリフレッシュできました。         

40代 女性

断食は初めての体験で不安でしたが、
なんとか最後まで続けることができてヨカッタです。
ほんとうに、ほんとうに、
食べることのありがたみを知った気がします。
普段と違う生活をし、
普段知り合うことのできない人たちと出会い、
すごく貴重な体験ができたと思います。
本当に来てよかった、
また、来たいと思いました。      

20代 女性

ずっと勤めた会社を辞めたばかりで参加しました。
ゆっくり、やすらかに過ごせて、
長年の疲れを取れました。
また、疲れたら来たいと思います。

40代 女性

2度目の「やすらぎの里」
たっぷり温泉に入って、たくさん歩いて、
すっかり元気になりました。
そして、一週間目いっぱいやすらぎました。
先生はじめ、スタッフのみなさん、
ありがとうございました。
また、いつか来たいです。      

50代 女性

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「編集後記」
伊豆にはたくさんの種類の桜があります。
その中でもひときわ早く咲くのが“10月桜”
その名の通り、10月頃から咲き始めて、
11月頃が見ごろで、12月まで咲いています。
小ぶりの花が、可憐な可愛い桜です。

30種類以上の桜がある“桜の里”で見ることができます。
晴れていれば、毎週火曜日にある、
観光地のドライブコースに入っているので、
見ることができるので、お楽しみに。         大沢      

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