最近、老化防止やアンチエイジングの本がたくさん出版されています。
老化に関する科学的な見地が積み重なってきたこともありますが、ちょっと気になることが。
老化は防げるとか、アンチエイジングに効果があるというほど、年齢を重ねることが悪いことのような論調の本も。
そこで今回は、ホリスティック医学の大御所、アンドリュー・ワイル博士
「ヘルシーエイジング」
読むほどに、なるほどっていうところがあるので、
みなさんにも内容を一部紹介しますね。
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老化がありがたくない変化をもたらすものであることは、厳粛な事実である。
活力・治癒力・感覚の鋭敏さ・筋肉の張り・骨密度・性的能力が低下し、節々が痛み、記憶が欠損し、しわが増え、健康・美・友人・家族・独立性が失われたり、医師・薬剤への依存度が高まる。
老化というプロセスのそうした兆候を隠して、以前と同じように振舞うことも可能ではあろう。
しかし、人はみな容赦なく、肉体の衰えと死に向かっている存在である、という厳粛な事実そのものを変えることはできないのだ。
われわれにできる最良の選択は、老化の不可避性を受容し、老化に適応することを心がけ、その年齢なりに最高の健康を維持することにあり、そのための方法ならいくらでもある。
老化を拒絶し、老化に抗しようとする選択は逆効果であり、人生経験の重要な側面を理解し引き受けることに怠慢な生き方であると、私は感じている。
潔く優雅に年を重ねるとは、老年病の発病を遅らせるために、自分ができることはすべて実行して、あとは自然のなりゆきにまかせるということである。
できるかぎり長期にわたって健康を保持し、最期にはころっと逝くことだといってもいいだろう。
さらにいえば、老化は、重荷や損失をもたらすものであると同時に、報酬をもたらすものでもあると、私は確信している。
老木の前に立って感じるあの感動、あれは何なのか?
年代物のワインやウィスキーは、なぜ、新しいものよりはるかに価値があるのか?
熟成しきったチーズの、あの深い味わいは何なのか?
ある種のバイオリンは、なぜ長い年月を経過したものがすぐれているのか?
歳月が培ってきた、それらのものの特質について、よく考えていただきたい。
そうなのだ、老化はもろさや苦痛をもたらすかもしれないが、同時に経験の深さや豊かさ、存在、静穏、知恵が織りなす複雑さや、そしてそのものだけがもつ、特有の力と美質をもたらすものである。
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