今日はちょっとだけデリケートなお話をしたいと思っています。
みなさんは「宿便(しゅくべん)」という言葉を聞いたことはありますか?
「腸のひだに何年もこびりついている古い便」
「これが出ると、病気が治って肌もツルツルになる」
そんなふうに言われることが多いですよね。
「私のお腹にも溜まっているんじゃないかしら…」と、不安に思っている方もいるかもしれません。
でも一方で、お医者さんに聞くと「そんなものはない」と言われたりします。
一体、どちらが本当なのでしょうか。
今回は、私が長年、断食道場の現場で見てきた経験からたどり着いた、「宿便の正体」についてお話しします。
これを読むと、腸の中で何が起きているのかが分かって、少しホッとできると思いますよ。
ちなみに…
「忙しくてやすらぎの里には行けないけれど、腸をきれいにしたい」
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「宿便なんてない」は本当か?
まず、世間で言われている「宿便」の議論について整理してみましょう。
これには真っ二つの意見があります。
民間療法と西洋医学の食い違い
健康法や民間療法の世界では、よくこう言われます。
「腸のひだの中に便が長い間たまっていて、それがあらゆる病気の原因になっている」
これを聞くと、「早く出さなきゃ!」と怖くなりますよね。
しかし、西洋医学の先生にこの話をすると、笑ってこう返されることが多いんです。
「宿便なんて、そんなものはありませんよ」
なぜなら、大腸の内視鏡検査をするとき、下剤を飲んで腸を空っぽにしますよね。
その状態でカメラを入れると、腸の壁はピンク色でツルツルしていて、こびりついた便なんて見当たらないからです。
「ある」と言う人と、「ない」と言う人。
これでは、どちらを信じていいのか分からなくなってしまいますよね。
私の答え。「宿便はある。でも、便ではない」
何千人ものゲストの方々の腸の変化を見守ってきた、私の答えをお伝えしますね。
「宿便はある。しかし、それは便ではない」
これが結論です。
「えっ、便じゃないの?」と驚かれるかもしれませんね。
その正体は「腸の垢(あか)」
私が考えている宿便の正体。それは、食べかすの便ではなく、「悪玉菌の死骸」や「古くなって剥がれ落ちた腸の粘膜」です。
イメージしてみてください。
皮膚も毎日新陳代謝をして、古くなると「垢」となって剥がれ落ちますよね。
腸の壁も同じです。常に生まれ変わっていて、古い細胞は剥がれ落ちていきます。
普段の食事をしているときは、それらは便と一緒に混ざって出ていくので気づきません。
でも、これが腸内環境の悪化などでスムーズに排出されず、一種の「汚れ」や「ヘドロ」のような状態で残っているもの。
それが、私たちが宿便と呼んでいるものの正体だと考えています。
断食中に出る「黒いタール便」の不思議
やすらぎの里で断食(ファスティング)をしていると、ときどき驚くような現象が起きます。
断食をして固形物を食べていないはずなのに、真っ黒い、タール状の便が出ることがあるんです。
特に、断食が終わって、回復食(お粥など)を食べ始めた頃に出る方が多いようです。
なぜ断食中に出るの?
断食をすると、腸の中には食べ物が入ってきません。
腸は「消化吸収」という重労働から解放され、久しぶりの大掃除を始めます。
空っぽの状態でも、腸は「蠕動(ぜんどう)運動」という動きを活発に行います。
すると、腸壁にこびりついていた悪玉菌の死骸や、古い粘膜が一気に剥がれ落ちて、外へ押し出されるのです。
これが、俗にいう「宿便」が出た状態。
出し切った後は、みなさん口を揃えて「お腹の中が空っぽになった感覚」「憑き物が落ちたみたい」とおっしゃいます。
出ても出なくても、効果は同じ
ここまで読むと、「私もその黒い宿便を出したい!」「出さないと病気が治らないんじゃ…」と思われるかもしれません。
でも、ここが一番お伝えしたいポイントなのですが、
「宿便を出さなければ健康になれない」なんてことは、決してありません。
黒い便が出るか出ないかは、かなり個人差があります。
全く出なかったとしても、断食によって内臓が休まり、代謝がリセットされていることに変わりはないのです。
大切なのは「出るもの」より「腸の働き」
「何が出たか」に執着する必要はありません。
それよりも大切なのは、断食や食養生を通じて、腸そのものの働きを高めてあげることです。
腸が元気になれば、自然と肌はきれいになり、アレルギーが和らいだり、免疫力が上がったりと、嬉しい変化がたくさん訪れます。
「汚れを出すこと」を目的にするのではなく、「体が本来の力を取り戻すこと」を目的にしてあげてくださいね。
まとめ:腸をいたわる生活を
宿便の正体は、便そのものではなく、腸が代謝する中で生まれる「垢」のようなもの。
それは特別な魔法ではなく、体の自然な営みの一部です。
もし、「最近お腹が重いな」「スッキリしないな」と感じているなら、それは腸が「ちょっと休ませて」と言っているサインかもしれません。
そんな時は、少し食事を軽くしてみたり、お腹を温めてみたりして、腸をいたわってあげてください。
腸がきれいになれば、心もきっと晴れやかになります。
どうぞ、ご自身の体を大切に、心地よい毎日をお過ごしくださいね。
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