●目次
○デトックス
○やすらぎの台所から
「ビシソワーズ」
「夏みかんと豆腐のムース」
○情報スクランブル
「おすすめの書籍」半農半Xという生き方
○やんもの森から
○寄せ書きから
○編集後記
【デトックス】
デトックス・・・。 なに、それ?。
そういうあなたは、ちょっと遅れてますよ。
デトックス=毒出し、解毒という意味です。
アメリカでは、数年前からダイエットや健康法のトレンドになっているようです。
「毒ってなに」
“デトックス”ってカタカナでいうと、なにか目新しいもののように感じますが、
東洋医学では何千年も前からやっていたことです。
「しかし、毒っていったいなんなの?」
西洋医学では、農薬や排水などで汚染された野菜や魚などに含まれる有害重金属類を毒といっています。
東洋医学では、身体に必要な血液や水分なども流れが滞ってしまうと毒になると考えます。
つまり、流れが悪くなれば、いいものも毒になってしまうと考えるのです。
私はさらにそれらに飲みすぎ、食べすぎで溜め込んだ余分な脂肪や、たっぷりたまっているストレスも毒と考えています。
「お血」
血液は人間のからだにとても大切なものですが、この血液も体内を循環していないと、固まって毒になる場合があります。
特に脳や心臓、腎臓などの重要な臓器で血液が固まると生死にかかわる場合があります。
循環が悪くなる原因として、運動不足、ストレス、過度の緊張、食事の乱れなどがあります。
「水毒」
血液が循環しなくなるとお血になるように、からだの中の水分も循環しないと水毒になります。
水毒とは具体的には、むくみを指しますが、手や足などだけではなく、頭や内臓にも水毒はたまると東洋医学では考えます。
頭に水毒がたまると、頭が重い、頭になにかかぶっているような感覚、天気が悪くなると気持ちが悪くなるというような症状が出ます。
原因としては、運動不足、飲みすぎ、冷たいものの取り過ぎなどがあります。
「気滞」
気(元気のエネルギー)も身体中をめぐっていれば、元気の元ですが、めぐらなくなると病気の原因になります。
気がめぐらなくなるとお腹が張ったり、のどがつかえたりという張って苦しい症状が出ます。
病院にいっても異常が見つからないので原因がわからないケースが多いのですが、ほとんどはガスや空気がたまっています。
原因はストレスで、言いたいことをぐっとこらえたり、嫌なことを溜め込んだりし過ぎて、からだが破裂寸前の風船のようになっているのです。
「余分な脂肪」
現代人は動く量に比べると明らかに食べ過ぎています。
これは、食事がお手軽なレジャーやストレス解消の手段になっているからです。
食べ過ぎて蓄えられた脂肪は、肝臓に蓄積されます。
肝臓が一杯になると内臓にもたまってきます。
その頃になると血液中にも漏れ出してきて、血液が脂肪でドロドロになってきます。
いわゆる高脂血症という状態です。
また、肝臓は解毒のセンターですが、この肝臓に脂肪がたまると解毒した有害物質が体外に排出されず、肝臓の脂肪に沈着します。
それが肝臓の働きを低下させて、疲れやすくなり、やる気がおきなくなります。
さらに、体重が増えすぎると腰や膝の関節に負担をかけ、運動できなくなります。
そうするとさらに体重が増えて、ますます痛くなるという悪循環に入ってしまいます。
「有害重金属類の毒」
人間はもともと有害物質を解毒(デトックス)する働きを持っています。
しかし、過労やストレス、食事の乱れなどにより身体のバランスが崩れると、解毒する力が低下して有害物質を体内に溜め込んでしまいます。
有害物質の中でも、特に水銀、砒素、鉛などの有害金属などは、体内の酵素の働きを阻害します。
その結果、イライラ、疲労感、肩こりなどさまざまな不定愁訴の原因になるといわれています。
「こころの毒」
親からの愛情を充分に感じられずに育った子供は、こころに傷(トラウマ)を持ってしまいます。
それが、成長していく段階で、うまく解消されるといいのですが、そのまま大人になってしまうと、自分に強いコンプレックスをもったり、逆に過剰に強く見せようとします。
どちらも、自分らしくない、だれかの望むような生き方を選んでしまうので、ストレスが多く、つらい日々を過ごすようになります。
いろんな病気の原因にストレスが関係していますが、ストレスの最大の原因はここにあるといってもいいでしょう。
「自然から外れてたまる毒」
人間がまだ、自然の中で暮らしていた頃は、食べ物を得るために身体を動かしていました。
食べるものは当然、自然なものばかりで、調理ももっとシンプルだったはずです。
そして、食べ過ぎることなど、めったになかったはずです。
肉体的には、今よりもはるかに大変だったと思いますが、家族が一緒に暮らして、食事をともにして助け合って生きている。
現代人よりも、生きているという感覚を味わっていたのではないでしょうか。
そんな暮らしを何万年も続けてきたのが、ここ何十年かの間に生活スタイルが激変して、その変化に身体がついていけなくなったのです。
かといって、大昔の生活に戻れるわけではありません。
そこで、部分的に、もしくはときどき、昔の生き方をまねしてみるのはどうでしょう。
「デトックスにはどんな方法があるの」
○運動
デトックスのための運動の目的は代謝をあげることです。
それには、スポーツクラブにいって、筋トレをしたり、ジョギングのような本格的な運動は必要ありません。
軽い運動でいいので、できるだけ毎日の生活に組み込むようにしていきます。
一番いいのが、通勤のときに歩くことです。
特に、駅まで歩いて20分以内の方は、バスや自転車はやめて歩くようにしましょう。
駅がすぐ近くですという方は、会社からの帰り、一駅先の駅まで頑張って歩きましょう。
そして、さらに週に一度、1時間くらい歩くか、プールにいって泳ぐことができたら理想的です。
○お風呂
普段、あまり汗をかかないという方。
せめて、お風呂だけはしっかり入って、汗をかくようにしましょう。
一日中エアコンの中にいると、ほとんど汗をかく機会がありません。
そんな方はこの季節こそ半身浴です。
半身浴は冬場よりも、この季節がおすすめです。
なんせ、上半身が裸でもまったく寒くないですから。
しっかり汗をかいた後に飲むビールは最高です。
えっ、それじゃ意味ないって。
まあ、いいじゃないですか、その代わりビールは1缶だけですよ。
○食事
日本人には、なんといっても和食が一番。
食事はあっさりした和食を心がけましょう。
生まれたときから、ずーっと和食で過ごした人たちが、今世界一の長寿になっています。
そして、旬のもの、土地のものを、できるだけまるごと食べるようにします。
まるごと食べることで、いろんな栄養が取れるし、繊維もしっかりとることでお通じにもいい。
そんな食事ができたら、サプリメントや健康食品はまったく必要ありません。
そんなものに使うお金があったら、調味料だけでもいいものにしてください。
○呼吸
からだの中で一番、新陳代謝が活発におこなわれているところ・・・。それは、肺です。
水よりも、食べ物よりもたくさん、24時間休むことなく、出ては入ってを繰り返しています。
この大事な呼吸を少し意識して深く、ゆっくりした呼吸にすることができれば、楽に代謝をあげることができます。
基本は腹式呼吸。
息を吸ったときに下腹をふくらませ、吐いたときにへこませる。慣れてきたら、吐く息を吸う息の倍の長さにしておこないます。
意識的にゆっくり、長く吐くようにします。
後は、日常のいろんなところで繰り返します。
電車の中で、車の中で、寝る前に、歩きながら。
そうしているうちに、普段の呼吸も腹式の深い呼吸になってきます。
「断食は最強のデトックス」
デトックスでもっとも効果的な方法が断食です。
食べすぎ飲み過ぎが続くと、とりすぎた栄養が肝臓に蓄えられます。
この肝臓が、栄養で満杯になった状態が脂肪肝です。
また、肝臓は解毒をおこなう臓器ですが、処理された毒が肝臓の脂肪に沈着していることがよくあります。
脂肪肝の人は脂肪だけではなく、毒も溜め込んでいるのです。
さらに余分な栄養は、内臓の周りにつく内臓脂肪や皮下脂肪として蓄えられるようになります。
内臓脂肪は血液中に溶け出しやすく、ドロドロ血の大きな原因といわれます。
断食をすると、まず最初に血液中のコレステロールや中性脂肪がエネルギーとして使われます。
そうするとドロドロだった血液が、サラサラになります。
次に、使われるのが肝臓の脂肪です。
肝臓の余分な脂肪がなくなると、沈着していた毒が尿や汗として体外に排出されます。
さらに、断食明けの食事で、食べ物有り難さ、生きていることの有り難さを再確認できるので、心の毒も取れてきます。
心の毒は、感謝する心で浄化されます。
からだも心もきれいになれる断食は、最強のデトックスなのです。
【 やすらぎの台所から 】
蒸し暑い日が続きますね。
こんな時は、冷たくて美味しいものが食べたくなりますね。
そこで今回は、冷たいスープとデザートを紹介します。
○ビシソワーズ(じゃが芋のポタージュ)
ジャガイモで作る、冷たくしてもおいしいポタージュ。
ジャガイモが安いときに、たくさん作って冷凍しておきましょう。
子供たちも大好きな料理です。
「材料」 4人分
じゃが芋2個、玉ねぎ中1/2個
パセリ少々、小麦粉大サジ1.5、出し汁250cc
豆乳250cc、油小サジ1、塩、コショウ適量
「作り方」
1、じゃが芋の皮をむいて薄くスライスし、たっぷりの水にさらしておく
2、玉ねぎをスライスし大きな鍋で炒め、小麦粉を加え2分位弱火で炒めて出し汁を加える。
3、2に水を切ったじゃが芋を加え10分煮る
4、3と豆乳をミキサーで撹拌して鍋に入れて、温まったら塩コショウで味を調える
5、器に盛ったら、パセリのみじん切りを上に散らして、
出来上がりです
○夏みかんと豆腐のムース
パートの嶋ちゃんの家はみかん農家。
ときどき、規格から外れた夏みかんをたくさん持ってきてくれます。
見た目はちょっとデコボコだけど、手塩にかけて作った夏みかんだからちょっと手をかけて、見た目もかわいく仕上げました。
「材料」8人分
豆腐(ミキサーにかけて)150cc、甘夏汁50cc
甘夏の実1/2カップ、はちみつ大サジ2、卵白1個
粉ゼラチン5g、水30cc
「作り方」
1、豆腐をミキサーにかけとろとろにする
2、ボールに豆腐、甘夏汁、甘夏の実、はちみつを入れて混ぜ合わせる
3、ふやかしたゼラチンを温めて溶かし、2に加えよく混ぜ合わせる
4、大きめのボールに水と氷を入れ3のボールを入れて
かき混ぜながら冷やしてとろみをつける
5、卵白を泡立て4と氷水で冷やしながら混ぜる
6、少しとろみがついてきたら、18cmの型に流し入れて
冷蔵庫で冷やせば出来上がりです
【 情報スクランブル 】
「おすすめの書籍」
○半農半Xという生き方
塩見 直紀著 ソニー・マガジンズ
半農の自給的で自然な暮らしをベースに、自分の個性を生かしたやりたい仕事と両立させる。
著者の塩見さんは、こんな新しい時代の生き方を「半農半X」という言葉で表現しています。
この本を読めば、都会の生活に疲れて田舎に行くのではなく、都会ではできない、本当の豊かさ、自分らしさを見つけるために田舎で暮らしてみたいと感じると思います。
新しい生き方を模索している人、田舎暮らしに興味がある人におすすめです。
「おすすめの雑誌」
○ソトコト
スローフードやスローライフに興味のある方には、絶大な支持を受けている雑誌です。
話題の選び方のセンスがとてもよく、編集している人の思いがとてもよく伝わる雑誌です。
今月の特集は「LOHAS」
アメリカですでに主流になりつつある、といわれている「LOHAS」という生き方。
日本では坂本龍一さんなどが有名ですね。
※LOHASとはLifestyles of Health and Sustainability の
頭文字をとった略語で、健康を重視し、持続可能な社会生活を心がける生活スタイルのこと。
「スタッフ紹介」
○山内 舞 治療・調理担当
6月から鍼灸マッサージの資格を持つ、山内さんがスタッフになりました。
日本だけでなく、オーストラリアでもマッサージの仕事をしていた経験もあります。
つぼにグイッと入るマッサージは、マッサージ好きの人にとても好評です。
それでは、本人から一言。
6月から治療と調理のスタッフとして働いています
山内舞です。
伊豆に来るのも、自然食や断食、湯治などを取り入れた施設で働くのも初めての経験です。
以前は、不規則な生活を送っていましたが、やすらぎの里来てから、食事も規則正しくなり、温泉にも入るようになり、最近少しずつ変化しています。
毎日新鮮な気持ちでゲストの方々にお会いすることができ、仕事も生活も楽しんでいます。
みなさんとやすらぎの里でお会いできるのを楽しみにしています。 山内
【 やんもの森から 】
やすらぎの里のある浮山温泉郷には、やまももの大木がたくさんあります。やまももは暖地性の植物で、伊豆高原が北限地といわれています。
地元の人は、やまももの木を親しみを込めて「やんも」と呼んでいます。
やまももは梅雨の時期になると赤紫の実をつけます。
たわわに実をつけたやまももの木の下にシートを広げて、枝をゆらすと実がたくさん落ちてきます。
甘酸っぱいその実は、そのまま食べてもおいしいのですが、お酒に漬けるときれいな赤い色のやまもも酒ができあがります。
やまもも酒はそのまま飲むだけではなく、漬け込んだ実と一緒にゼリーにすると、鮮やかな紫色のデザートになります。
かの楊貴妃も好んで食べたというやまもも。
こんなおいしい果樹がたくさん自生している「やんもの里」は豊かな実りの里でもあります。
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ゲストのみんなと一緒にドライブでまわる、里山の田んぼの一番奥に小さな公園があります。
そこには、きれいな小川が流れていて、夏でも涼しいくらいです。
その水は、上流にあるわさび田から流れてきます。
そこに、毎年ホタルが出るのです。
観光地でも名所でもないので、明かりはまったくありません。
月のない夜だと本当に真っ暗闇です。
そこに小さな淡い緑の明かりが、ふわ~っと飛んでいます。
真っ暗だからこそ、感動的な明るさです。
蛍を見るのは初めてという方がけっこういます。
「私は北海道の生まれなので、生まれてはじめてみました」
そういって喜んでくれた会社の社長さん。
「ホタルの光ってこんなに明るいんですね。」
若い女の子も少し興奮ぎみです。
蛍の幼虫はカワニナという川に住む貝を食べてそだちます。
カワニナはきれいな川にしか住めないので、川が汚れるとカワニナがいなくなり、蛍もいなくなるのです。
蛍がたくさん出るくらいきれいな小川がある。
ブランドのお店や有名なレストランではないけど、豊かな自然がまだ、たくさん残っている。
そんなところに、暮らしていることを誇りに思います。
【 寄せ書きから 】
やすらぎの里では来ていただいた方が、お帰りの際に、寄せ書きを書いてもらっています。
滞在中の感想から感謝の声まで、すべてスタッフみんなの活力になっています。
その中の一部をご紹介させていただきます。
断食でいただいた健康。
これからは食生活に気をつけ、楽しい人生にしたいと思っています。
大沢先生をはじめ、スタッフの皆様に感謝!感謝!
ありがとうございました。 50代 女性
今回は食事療法での一週間でした。
前回の断食と比べると気分的にも楽だし、
美味しい食事もできてよかったです。
あっという間の一週間でしたが、伊豆の素晴らしい環境。
また、素晴らしい人達との出会い。
とても思い出に残る一週間でした。 30代 女性
本当にありがとうございました!
悩みの症状も滞在中に改善が見られ
しかもナイスボディー?に近づきました。
次回は脂肪肝に悩む夫を連れてきますので
また、よろしくお願いします。 30代 女性
今回で3回目、無理にでも会社を休んでこなくてはと
思うようになっています。
頭とからだ、こころ休ませてもらいました。
今度は自然食コースもいいかなと・・・。 30代 女性
お世話になりました。
これほどのゆったりした休暇は生まれて(?)初めてです。次は妻と一緒にお世話になります。 40代 男性
「編集後記」
5月から初めた畑に夏野菜が育っています。
一番初めの収穫はラディッシュでした。
一ヶ月位で、柔らかくて美味しいのがたくさん取れました。
次の収穫はプチトマト、小粒だけどとっても甘くて美味しいんです。
取ってすぐその場でがぶっとかぶりつく。
これはどんな高級なレストランのサラダにも負けないおいしさです。
「かあちゃん、うめぇなあ!」
「ほんと、みずみずしくておいしい!」
身体をつかって、土に触れて、収穫する楽しみをもらって、
おいしく食べられる。
こんな贅沢な楽しみが他にあるでしょうか。
自分で食べるものを自分でとる。
動物としてのDNAが喜んでいるような気がします。
大沢
■11月は社会起業を京都で学ぼう!
『社会起業家に学べ!』(アスキー新書)の著者である不肖・今一生、11月に京都の山奥の廃校を再利用した社会起業スクールで講師を務めます…