入院して一週間くらいすると、
だいぶ体調も安定してきた。
出血が少なかったので、
重い麻痺は出なかったものの、
左手と左足がスムーズに動かない。
早い段階で、リハビリを中心にした、
温泉病院への転院を勧められた。
転院は、ゴールデンウィーク中の5月2日、
高原館のオープンの翌日だった。
転院先は、自宅から車で40分ほどの、
中伊豆温泉病院。
脳血管障害やリウマチ、事故の後遺症など、
リハビリが必要な方専門の病院だ。
それまで入院していた総合病院に比べると、
緊急な処置を必要とする人がいないので、
のんびりしていて、いい雰囲気だ。
同室には、同年代の主婦の人や、
同郷の年配の方がいて、
かみさんも喜んでいる。
少し遠くなったので、
週に一度しか会いに行けなくなったが、
ここなら安心して任せられる気がした。
それからは、週に一度会いに行くのが、
ほんとうに待ち遠しかった。
一日一度、電話がかかってきて、
その日の調子や、いろんなことを聞くのが、
日課になった。
普段の生活は、仕事や子供の世話、
お弁当の準備、洗濯・・・。
忙しい毎日が続いたが、
かみさんの元気になっていく声を聞くと、
なんとか、がんばることができた。
「今日のやすらぎ」
田植えが終わった田んぼ。
夕方になると、一斉にカエルが鳴き出し、
夜には、大合唱が始まります。
この1年大変でしたね。個人としての心配を抱えて明るく仕事をする大変さ、よく分かります。でもその仕事があるからこそ、冷静に自分を保てるのですよね。まさにそれは仕事に助けられることではないでしょうか。奥様が元気になって何よりでしたね。
佐藤さんへ
ほんとに、そう思います。
大変だったけど、仕事に支えられた部分もかなり大きかったです。
疲れたゲストの人を励ますことで、自分が元気を取り戻していたと思います。
いろんなことを実地で学んだ一年でした。