「祖父の思い出」

私の祖父は、おととしの夏に肺炎を患って、
近くの病院に入院しました。
入院するまでは畑仕事もしていましたが、
入院してしばらくすると、歩けない状態になってしまいました。
日増しに衰えていく祖父の状態を見て
「この頃は日によって体調が、かなり変化するので心配だ」
と父が連絡をくれました。
父親が実家のことで相談するときは、
かなりせっぱつまった場合が多いので、
仕事のスケジュールをなんとか調整して実家に帰りました。
 
仕事が忙しかったので、
実家の岩手に帰るのは3年ぶりでした。
実家に着いてすぐ、
病院にいる祖父に会いに行きました。
病室のベットで横たわっていた祖父は、
すっかり痩せこけて鎖骨や肋骨が浮き出し、
まさに骨と皮だけの状態でした。
病室に入った私を見つけた祖父は、
思わず泣き出しながら私の手をしっかりとにぎりしめました。
そして、その手を頬ずりしながら、
かすれた声で私に話しかけてきました。
「よく来た、本当によく来てくれた。
生きているうちにお前に会えて本当によかった」
 
今まで、こんなに感情的になった祖父を見たことがなかったので、
一瞬どう対応していいのかとまどってしまいました。
しかし、泣きながら手を握って離さない祖父を見ていると、
自分の最後を悟って、お別れを言っているのだなと感じました。
私は何も言わずに祖父の手を強く握り、
やせこけた顔を何度もなでてあげました。
祖父は涙を流しながら私の手をとり、
その手に頬ずりしながらいつまでも手を離しませんでした。
 
祖父はそれから1ヵ月後に旅立っていきました。
子供たちみんなにお別れを言い、
遺言を伝えて、自分の仕事をきっちりと終わらせて、
88年の人生に幕を下ろしました。
ありがとう、じいさん。
じいさんの血はしっかりと私の中で生き続けています。
そしてその血を子供に受け継いでいきます。
人の命はそうやっていつまでも受け継がれて、
生き続けていくのだと思っています。


「今日のやすらぎ」
やすらぎの里の立ち上げのときにも、
祖父は惜しみない応援をしてくれました。
そんな、みんなの思いが、
このやすらぎの里には込められています。
やすらぎの里の玄関

“「祖父の思い出」” へのコメントはありません。

  1. いちろさん

    何度もくぐったこの玄関、左手に予備の傘が
    ざくざくっとささってて・・・。
    私たちにとっては田舎の実家にでも帰ってくる
    様な感覚ですね。
    そんな雰囲気を与え続けてくれるスタッフの
    ご苦労には頭が下がります。
    どうか、いつまでもいつまでも
    私たちの田舎であり続けて下さい。
    Yさん色々ありがとう。ご苦労様でした。

  2. やすらぎ大沢

    いちろさんへ
    いつもありがとうございます。
    みんなが「ただいま~!」って帰ってきてくれるような、
    現代人のやすらぎの里になれるようにがんばります!

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