断食で尿の色が濃くなるのはなぜ?デトックスのサインと排泄機能の高め方

伊豆の森を歩いていると、落ち葉が土に還り、また新しい命の養分になっている循環を感じます。
自然界には「無駄なもの」は何一つなく、すべてが巡っているんですね。

さて、断食(ファスティング)をしているゲストの方から、こんな質問をよくいただきます。

「先生、なんだかおしっこの色がすごく濃いんです…」
「普段より水分を摂っているはずなのに、色が濃くて臭いも強い気がします。これって大丈夫でしょうか?」

普段見慣れない色の尿が出ると、水分不足かな?病気かな?と不安になりますよね。
でも、安心してください。
それは、あなたの体が正常に反応し、一生懸命「大掃除」をしている証拠なんです。

今日は、なぜ断食中に排泄機能が高まるのか、そして私たちの体と現代社会が抱える「溜め込みすぎ」の問題について、少し深くお話ししてみようと思います。

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断食中に尿の色が濃くなるのは「デトックス」の証


断食を始めると、多くの人が体験するのが「排泄の変化」です。
その代表的なものが、「尿の色が濃くなる」「臭いがきつくなる」という現象です。

体がバランスを保とうとする「恒常性」

なぜ、食べ物が入ってこないのに、排泄が活発になるのでしょうか。
私たちの体には、常に生体の機能を一定に保とうとする「恒常性維持機能(ホメオスタシス)」という素晴らしいシステムが備わっています。

断食をして栄養が入ってこなくなると、体は危機感を感じます。
「栄養が来ないぞ!それなら、体の中にある不要なゴミ(老廃物)を捨てて、なんとかバランスを保とう!」
と、自律神経やホルモンが指令を出し、排泄スイッチをオンにするのです。

その結果、血液中に溜まっていた老廃物や毒素が一気に腎臓に集められ、尿として排出されます。
普段よりもゴミの濃度が高いわけですから、当然、尿の色は濃くなり、臭いも強くなります。

つまり、あの濃い色は、長年溜め込んでいた汚れが外に出ているサイン。
「ああ、今まさに体がお掃除をしてくれているんだな」と、ポジティブに捉えてくださいね。

尿だけじゃない!断食で出るさまざまな老廃物


断食中の排泄は、尿だけではありません。
体はあらゆる出口を使って、汚れを出そうとします。

1. 黒いタール状の宿便

腸が休まることで、こびりついていた悪玉菌の死骸や古い粘膜が剥がれ落ち、「宿便」として出ることがあります。
強烈な臭いがすることもありますが、出し切るとお腹が驚くほど軽くなります。

2. ベタベタした汗や体臭

普段かかないような、少し油っぽい汗が出たり、体臭が強くなったりすることもあります。
これは、皮脂腺から脂溶性(油に溶けるタイプ)の毒素が出ている証拠です。

3. 厚くなる舌苔(ぜったい)

鏡で舌を見ると、白や黄色っぽい苔(こけ)がびっしり付いていることがあります。
これも胃腸から出た老廃物の一種。
口臭がきつくなる原因にもなりますが、断食が終わって胃腸がきれいになると、自然とピンク色のきれいな舌に戻ります。

また、尿や便でうまく出せない人は、湿疹として皮膚から出ることもあります。
これらすべてが、体が本来の機能を取り戻そうとする「好転反応」であり、浄化のプロセスなのです。

現代人は「入れすぎ」て「出せない」体になっている


そもそも、なぜ私たちはこんなにデトックスが必要なのでしょうか。
それは、現代社会が人類史上かつてない「飽食の時代」だからです。

栄養不足より「過剰摂取」が病気を作る

テレビや雑誌では「ビタミンが足りない」「タンパク質を摂ろう」と叫ばれていますが、今の日本で本当に栄養失調で倒れる人がどれくらいいるでしょうか?
むしろ、カロリーの摂りすぎ、糖質の摂りすぎ、脂質の摂りすぎで生活習慣病になっている人の方が圧倒的に多いはずです。

さらに、食品添加物や環境ホルモンなど、体にとって有害なものも知らず知らずのうちに取り込んでしまっています。

排泄力が弱まる現代の生活

一方で、「出す力」はどんどん弱まっています。

  • 運動不足で汗をかかない
  • 食物繊維不足で便秘がち
  • 冷房の効きすぎで腎機能が低下(冷え)

「入り口」は全開なのに、「出口」が詰まっている。
これでは、体の中にゴミが溜まっていく一方ですよね。

断食は体の「薪(まき)」を減らす作業


この体の状態を、薪ストーブに例えてみましょう。

現代人の体は、「薪(栄養)を入れすぎて、燃えなくなっているストーブ」のようなものです。
薪をギュウギュウに詰め込みすぎると、空気の通り道がなくなり、火は消えかけ、黒い煙(不完全燃焼)ばかりが出てしまいます。
これが、今の私たちの体の不調の正体です。

では、どうすればまた勢いよく燃えるでしょうか?
新しい薪を入れることではありませんよね。

まずは、詰め込みすぎた薪を少し取り出し、空気を入れてあげることです。

  • 薪を取り出す作業 = 断食(ファスティング)
  • 空気を入れる作業 = 運動や深呼吸

断食で余分なものを減らし、運動で酸素を巡らせる。
そうすれば、体は再び力強く燃え上がり、エネルギーに満ちた状態を取り戻すことができるのです。

体も地球も「ダイエット」が必要な時代


この「入れすぎ」の問題は、人間の体だけでなく、地球環境にも同じことが言えます。

消費しすぎ、作りすぎ、捨てすぎ。
土に還らないプラスチックゴミが増え、燃やせば有害物質が出る。
まさに、地球自体が「肥満」と「便秘」で苦しんでいるような状態です。

もう、これ以上「足す」ことでは解決できません。
「減らす」こと、「出さない」こと、「循環させる」こと。

本当に必要なものだけを選び、余分なものを削ぎ落としていく。
そんなシンプルな生き方が、私たちの体にとっても、地球にとっても、今一番必要なダイエットなのかもしれません。

まとめ:濃い尿は「リセット」の始まり

断食中に尿の色が濃くなる理由、そして排泄の大切さについて、いかがでしたか?

あの濃い色は、あなたの体が一生懸命、本来のきれいな状態に戻ろうと頑張っている証です。
「汚いものが出たな」と嫌がるのではなく、
「よしよし、順調に出ているな」と、自分の排泄力を褒めてあげてください。

そして、断食が終わってからも、
「今の自分は入れすぎていないかな?」
「ちゃんと出せているかな?」
と、時々立ち止まって考えてみてください。

入れることよりも、出すこと。
その心地よさを知れば、体はもっと軽やかに、健やかになれるはずです。

余分なものを手放して、本来の自分へ。

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